ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

孤島は愛に燃えて モニカ・マッカーティ

 中世ハイランドもので人気の作者、モニカ・マッカーティの新作で、海軍SEAL隊員を主人公にしたロマンティック・サスペンスのシリーズ1作目。中世ハイランダーの戦士もSEAL隊員も似たようなもん(?)だし、この作者の「ハイランドの戦士に愛のほほ笑みを」も読んだことあるけど、時代背景が変わってもテイストは同じだわね。

 新シリーズということで、作者はきっと米軍の特殊部隊のことをかなりリサーチしたのでしょうが、冒頭のSEALの作戦中の描写が説明的すぎる上に、隊員が大勢出てきて誰が主人公なのかよくわからず、いまひとつ最初の掴みが悪かった。プロローグって大事よね。軍隊の蘊蓄や、人物紹介は控えめにしてくれたほうが、話に入りやすかったかも。とはいえ、お話自体はほぼヒーローとヒロイン2人の逃走劇なのでわかりやすく、スコットランドが舞台なのも珍しくて面白かった。

 ヒロインは昔のトラウマから軍人アレルギーで、学者タイプの男性と好んで付き合ってはいるものの、ムキムキマッチョなヒーローが気になって仕方ない。やっぱりアメリカ人女性はなんだかんだ言ってみんなムキムキ男が好きよね。ヒーローはSEAL隊員だから女性と深い付き合いをしない主義だったけど、博士号を持ってて環境保全の活動家という全くタイプじゃないヒロインをなぜか好きになってしまうという、よくあるパターン。最初は素性を隠すため、長髪&髭ボーボーの海賊みたいだったヒーローが、逃亡のため、髭を剃ってこざっぱりした途端に、こんなにハンサムだったなんて(/ω\)イヤンと、もじもじしちゃう乙女なヒロインがカワイイ。

 ロマンス小説にしては、軍隊についてもそこそこきちんと書かれていて、それなりにリアリティのある設定になってると思う。プーチンがとんでもなく悪者に描かれてますが、作者がアメリカ人だからねぇ。細かいネタだけど、空軍(air force)で、実戦に参加せず、デスクワークばかりの人をchair force って言っててなんか笑った。

 自分は中世ものよりも現代のサスペンスのほうが好きなので良かったけれど、今作を読んだ限りでは、この作者はどちらかというと中世もののほうが合ってるような気がする。でもこれがシリーズ1作目だから、作者がこのジャンルを書くのに慣れてきたら、さらに良くなっていくんじゃないかな。わりと力量のある作家だと思うし。

孤島に愛は燃えて (ライムブックス)

孤島に愛は燃えて (ライムブックス)

  • 作者: モニカ・マッカーティ,緒川久美子
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2018/10/09
  • メディア: 文庫
Going Dark (The Lost Platoon Book 1) (English Edition)

Going Dark (The Lost Platoon Book 1) (English Edition)

  • 作者: Monica McCarty
  • 出版社/メーカー: Berkley
  • 発売日: 2017/09/05
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