南北戦争時代のアメリカが舞台のロマンス。アメリカンヒストリカルは日本ではあまり翻訳されないので珍しい。南部の裕福な家に生まれたヒロインが、黒人たちを逃すために奮闘する大河小説風味のお話。上院議員の父親が急死し、戦争が始まり、まさに時代に翻弄されるヒロイン。父親の遺志を継いで奴隷を開放しようとするけれど、性格の歪んだ兄が邪魔をする。気違いじみた兄のやることなすこと恐ろしすぎてヒール役として際立ってた。色々な事件が立て続けに起こり、退屈する暇がないので長さを感じさせない。やはりベテラン作家だけあって上手いな。
ヒロインは6年前の17歳の時にヒーローと出会い、お互いに夢中になって良い雰囲気だったのにヒーローは彼女を捨てて去ってしまったので、再会しても最初は捨てられた恨みでツンケンしている。それでもヒロインが困っているとどこからともなく現れて助けてくれるヒーロー。この作者のヒーローにしてはそれほど屈折してなくて、割と良い人だった。強引でbodice-ripperなのはお約束。気の強い者同士だからロマンスも激しい。波乱万丈のストーリーで読み終わった後はぐったりしたけど面白かった。事態は一件落着してクリフハンガーな終わり方ではないけれど、同じ主人公の続編があるので話はまだ続くらしい。次はいつ出るかな。

- 作者: Rosemary Rogers
- 出版社/メーカー: Harlequin Special Releases
- 発売日: 2014/07/15
- メディア: Kindle版