ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

公爵家の籠の鳥 ロレイン・ヒース

 ロレイン・ヒースの新シリーズ1作目。1800年代のイギリスでは、貧しい未亡人が、お金をもらって貴族の私生児を引き取ることがよくあったらしい。そんな未亡人に育てられた血のつながらない兄弟たちが主役のシリーズ。それにしても子供を引き取ってから殺して庭に埋めてた人もいたなんて恐ろしい時代だったのね・・。

 ヒーローは生まれてすぐに父親に捨てられて、里子をたくさん引き取っている未亡人の元で育ち、貧困に苦しみながら一生懸命働いてのし上がりお金持ちの実業家になったけれど、自分が公爵の子供だと知った時から復讐心に燃えていた。公爵の跡継ぎの長男がギャンブル狂なので賭け事で破産させようとして彼に近づき、その婚約者の女性も誘惑して破滅させてやろうとするけれど、思いがけず彼女に惹かれてしまうという、復讐ものでよくあるパターン。ヒーローもヒロインも初めて会った時からお互い強烈に惹かれあって、ほとんど一目惚れ状態。彼女を穢して捨てるという計画もいつの間にか無かったことに。何だ、“全てを奪う悪魔”とか言ってるわりに優しいじゃん。ヒロインはこっそり屋敷を抜け出してヒーローに会いに行ったり、貴族の令嬢のわりには結構大胆。でも甘やかされて育った貴族の婚約者よりもヒーローのほうを魅力的に感じるのも無理ないわよねえ。ちょっと荒っぽいけどストレートな口説き文句が良いわ~。しかも復讐そっちのけで結構本気で口説いてて、ヒロインもすっかりメロメロになってるし。 

 それでもこういう復讐ものの場合、やはり一番マズイ時にヒーローの計画がバレてしまうのよねぇ。あまりのタイミングの良さ(というか悪さ)に笑ってしまうくらい。例によってヒロインはショックを受けてヒーローのもとを去るわけだけど、ヒーローもすぐにダメージ回復のために復讐をあきらめヒロインを取り戻す行動に出る。さすが凄腕の実業家だけあって素晴らしい危機管理能力!そうこうするうちに、ついにヒーローの出生にまつわる衝撃の事実が明らかに!!普通ならこの事実にびっくり仰天するところだけど、自分はどうもこの手の小説を読みすぎているのか、だいたい予想通りだったので、ああやっぱり・・と思ってしまったけど、それでも結構楽しめた。復讐ものとしてはありがちな話だけど、主役の2人が惹かれあっていくエピソードが丁寧に書かれていて良かったと思う。

 ところで、これは新シリーズの1作目だけど、前のシリーズで翻訳されてない作品があるのよね。できれば順番に出してほしいんだけど・・。この作者はたくさん著書があり、関連作を把握しづらいため、1つ前の記事にシリーズごとに作品をまとめてみたので関心ある方はどうぞ。 

公爵家の籠の鳥 (MIRA文庫)

公爵家の籠の鳥 (MIRA文庫)

  • 作者: ロレインヒース,富永佐知子
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ジャパン
  • 発売日: 2018/12/11
  • メディア: 文庫
Beyond Scandal and Desire: A Sins for All Seasons Novel (English Edition)

Beyond Scandal and Desire: A Sins for All Seasons Novel (English Edition)

  • 作者: Lorraine Heath
  • 出版社/メーカー: Avon
  • 発売日: 2018/01/30
  • メディア: Kindle

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