ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

標的ー忘れられないまなざし ケイティ・レウス

 戦死したと思っていた昔の恋人が、顔を変えて別人になって現れる・・って、どこかで読んだことあるような話だな。ローラ・リーのエリート作戦部隊シリーズと似てるわね。これを読む人はたいていローラ・リーも読んでるだろうから、似たような設定だとどうしても比べてしまうと思う。それで結局、ケイティ・レウスは、ローラ・リーを薄味にしたような感じでインパクトに欠けるわねという結論になるのではないかしら。これはこれでそれなりに面白いとは思うけど、設定のわりにはそこまで切ない話でもなく、さらっと読めるけどあまり印象に残らない。

 この作品を読んで、あらためてローラ・リーの「禁じられた熱情」は秀逸だったなと思った。整形して別人として妻のところに戻ってきたヒーローが、今の自分を好きになってもらいたいのに、妻が亡くなった夫を想い続けていて昔の自分に嫉妬するとか、設定を十二分に活かした面白すぎるシチュエーションがてんこ盛りの美味しい作品だった。任務中に拷問を受けたせいで性格も変わってしまい、昔よりワイルドになってヒロインにも強引に迫ったり、彼女のほうも実はそういうのが好きだったりして、Hotだけど、相手がどう変わろうとも本質的に惹かれあう気持ちはなくならず、愛は強いんだという一貫したテーマがあって印象深い作品だったと思う。まあ、シリーズ化したら似たような話ばかりで2作目以降は飽きてきたけど・・。

 そういうわけでケイティ・レウスの今作は、サスペンスはそこそこ面白くて悪くないけど、ロマンスは、ヒロインがだいぶ前からヒーローとは疎遠になっていて、既に過去の人だったからか、そこまで葛藤がなく深みが足りなくて惜しい作品だったということで、特筆すべきこともないので感想はここまで。

 ところで今作の逆バージョンで、ヒロインが整形して別人になる話で面白かったのが、ダニエル・スティールの「二つの約束」。かなり昔に読んだけどいまだに覚えてるから、インパクトのある作品だったんだと思う。ヒーローは金持ちの御曹司でヒロインは貧しい孤児。ヒーローの母親が結婚に反対しているから、駆け落ちしようとする途中で事故に遭い、ヒロインは顔にひどい怪我を負ってしまう。そこでヒーローの母親が、息子には彼女は亡くなったと嘘をつき、ヒロインには、ぐちゃぐちゃになった顔を直すお金をあげるから、別人になってもう息子にはかかわるなと言って追い払う。でも結局は再会して・・・というような話だったと思う。これも見た目が変わっても愛は変わらないというテーマだけど、かなり波乱万丈な話だった。ヒロインを担当する天才整形外科医が、悪い人ではないんだけど偏執的なところがあって、亡くした奥さんを愛するあまりヒロインを奥さんに似せて整形して、亡き妻を投影しながらヒロインを愛する、みたいなエピソードもあったと思う。「二つの約束」はアカデミー出版超訳だけど、同じ作品が昔サンリオから「サウンドレス・ラブ」というタイトルで出ていたと後から知って、超訳でないとどんな風に訳されているんだろうと思い、そっちも古本を探して読んだのを覚えてる。なつかしいな。まあでも90年代の作品だから今読んだら古い感じがするだろうね。そういえば、アカデミー出版ってまだ超訳出してるのかな?シドニィ・シェルダン大先生ももう亡くなっちゃったけど・・・と思って調べてみたら、やっぱり最近はもう下火になってあまり出してないのね。

標的─忘れられないまなざし─ (マグノリアロマンス)

標的─忘れられないまなざし─ (マグノリアロマンス)

  • 作者: ケイティレウス
  • 出版社/メーカー: オークラ出版
  • 発売日: 2014/06/25
  • メディア: Kindle
Targeted: Deadly Ops Book 1 (A series of thrilling, edge-of-your-seat suspense) (English Edition)

Targeted: Deadly Ops Book 1 (A series of thrilling, edge-of-your-seat suspense) (English Edition)

  • 作者: Katie Reus
  • 出版社/メーカー: Headline Eternal
  • 発売日: 2013/10/01
  • メディア: Kindle

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