ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

七年目のアイラブユー シャロン・サラ

 久しぶりに読んだシャロン・サラ。思うにこの作者はサスペンス自体よりも人間ドラマを重視していて、その根底に、全ては神の思し召しで、邪悪な人間にはいつか裁きが下り、善良な人間には幸せがやってくる、みたいな宗教観が強く滲み出ているので、たいして信心深くない日本人が読むと、ちょっと居心地悪かったりする。

 今作は、良い親戚 VS 悪い親戚、みたいな身内同士の抗争の話で、その悪い親戚の側が本当に腐りきった人ばかりで、読んでいて不快なのであまり楽しくなかった。登場人物もやたらと多く、かたや悪い側は仲間割れしてお互いに罪をなすりつけ合い、良い側はお互いを思いやって一致団結して助け合うのだけど、ここまで善と悪にはっきり分かれているとなんだか現実味に乏しいというか、実際には、あっちはみんな悪人、こっちはみんな善人、みたいにはいかないと思うのよね。

 この作者は、緻密なサスペンスを書くタイプじゃないから、犯人捜しのミステリーとしては楽しめないのも残念ポイント。丁度良いところでうまい具合に証拠が出てきたりして、都合良すぎだろと思ったり。せっかく容疑者がいっぱいいて誰が犯人でもおかしくないんだから、あっと驚く人物が犯人だった!みたいなアガサ・クリスティ的な展開だったりしたらもう少し楽しめたんだけど。

 ロマンスに関しては、一度は別れた二人がよりを戻して幸せになったのは良いんだけど、そもそも別れた理由がいまひとつ解せない。ヒロインは、ヒーローに求婚されたけど、父親がアルツハイマーになり介護しなければならないから断ってしまった。ヒーローは断られたことにショックを受けて、街を出て行ってしまった。そして7年が過ぎた・・・って、この二人、コミュニケーション能力はないのか?求婚を断るなら、せめて理由を言うのが礼儀だろうに・・。

 ヒーローの父親が殺害され、ヒロインの父親が病死し、お葬式のシーンが2回も出てくるのも暗くて鬱になるし、ヒロインが父親の介護疲れでやつれているのも、ロマンス小説としては、あまりに辛気臭くて気が滅入ってしまう。全体的にあまり楽しめるところのない作品だった。この作者って、以前はここまで暗くなかったと思うんだけど、こういう作風だとあまり読みたいと思わないな。 

七年目のアイラブユー (MIRA文庫)

七年目のアイラブユー (MIRA文庫)

  • 作者: シャロンサラ,Sharon Sala,新井ひろみ
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズジャパン
  • 発売日: 2017/11/10
  • メディア: 文庫
Family Sins

Family Sins

  • 作者: Sharon Sala
  • 出版社/メーカー: MIRA
  • 発売日: 2016/10/25
  • メディア: ハードカバー

 

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