ロマンス小説感想日記

ロマンス&ミステリー小説感想日記

海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

放蕩貴族と恋迷路 キャンディス・キャンプ

 13年ぶりに再開したモアランド公爵家シリーズ。子供ながら脇役として活躍していた双子のアレックスとコンが大人になって主役として登場。前作のアレックスに続き、今作はコンがヒーローで、前作と関連の深い内容になっている。キャンディス・キャンプは好きな作家だけど、どちらかというと超能力ものは苦手なので、このシリーズは特別好きというわけではないかな。でも前作は誘拐事件を解決するのに、ちょっとした能力を使ったくらいで割と読みやすかったので、引き続き今作も読んでみたところ、こっちのほうが秘密結社や怪しいパワーやら、超常現象ガッツリのストーリーだった。これはこれで面白かったけど、前作のほうが好きかな。ストーリー自体はよく出来ていると思うので、超能力ものが好きな人なら楽しめると思う。ヒロインは前作にも少し顔を出していて、真面目でお堅いタイプだったから、まさか彼女も超能力者だとは思わなかった。まあSFじゃないから超能力と言ってもたいしたことないし、基本はロマンスなんだけど。双子の片割れがヒーローだけど、双子の設定は今回はそれほど活かされていなかったような。前作のアレックスのほうが、子供の時に誘拐されて、かろうじて生還した過去があるから、キャラクターとしては面白かったと思う。今作のコンは、わりと普通のお気楽な貴族という感じで、取り立てて特徴がないかも。そのぶん、品行方正な堅物だと思っていたヒロインが、いわくつきの一族の出身で意外な事実がどんどん出てきて面白かった。

 これで双子も片付いたわけだけど、シリーズはどうやらまだ続くらしい。モアランド家の人たちはもうみんな結婚しちゃってるから次は誰が主役になるのかしら。

放蕩貴族と恋迷路 (MIRA文庫)

放蕩貴族と恋迷路 (MIRA文庫)

  • 作者: キャンディス・キャンプ
  • 出版社: ハーパーコリンズ・ジャパン
  • 発売日: 2019/03/08
His Wicked Charm (Mad Morelands)

His Wicked Charm (Mad Morelands)

  • 作者: Candace Camp
  • 出版社: Mills & Boon
  • 発売日: 2018/04/05

 

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