伯爵令嬢でピアニストのヒロインと平民の作曲家ヒーローのロマンス。前作に出てきてちょっと気になっていた2人の話なので読んでみた。姉が奔放なタイプなのに対し、妹は良い子の優等生タイプということだったけど、なんか違うぞ。身分違いの切ない恋なのかと思ったけど、良い子のはずのヒロインが初っ端から割と簡単にヒーローに身を投げ出してるし、ヒーローのほうもノリノリで事に及んでしまう。そしてやることやっておきながら、でもやっぱり自分は彼女にふさわしくないと、別れるために冷たくして突き放すって・・・。そしてヒーローに振られた後のヒロインの行動がまた何とも・・。求婚されている貴族の男性が相手でも、ヒーローとの行為と同じように感じられるか確かめるために誘惑して事に及ぼうとするって、それが貴族の令嬢のすることか?現代の話ならまだしもヒストリカルなのに。さらに、ヒーローの子供を妊娠してしまったとわかり、こうなったらその貴族の男性を騙して結婚してもらい、彼の子供だと思わせるしかないって・・・すばらしくbitchなヒロインだな・・・。優等生キャラのはずなのに姉の上を行く大胆さじゃない?もう突っ込みどころ満載で少なくとも読んでて退屈はしないわね。ストーリーもかなり粗削りな感じだけど、勢いで読ませてしまうところが上手いというべきか、ちょっと判断つきかねるけど、中弛みもなくて、最後まで突っ込みを入れつつそこそこ楽しんで読めたので良しとしよう。プロローグでなんとなく察しがついたけど、ヒーローの生い立ちについては予想通りの都合の良い結末だったわね。時代設定は19世紀なのにキャラクターの思考と行動パターンが現代人な、なんちゃってヒストリカルはよくあるけど、ここまでぶっ飛んでると却って清々しいわね。
- 作者: ヘレン・ハート,岸川由美
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2019/03/07
- メディア: 文庫
Rose In Bloom (Sex and the Season Book 2) (English Edition)
- 作者: Helen Hardt
- 出版社/メーカー: Waterhouse Press
- 発売日: 2015/04/08
- メディア: Kindle版