ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

侯爵の帰還は胸騒ぎ マギー・フェントン

 前作「公爵のルールを破るのは」は、ヒロインがかなり型破りな女性で行動があまりにも突飛だったので、ドタバタ喜劇の印象が強かったけれど、今作は主役の2人が幾分憂いのあるキャラクターだったので、ドタバタではあるものの前作よりは落ち着いて読むことが出来、じっくり読んだらこの作者はなかなか上手いと気付いた。

 文章からもそれなりに時代の雰囲気が伝わってくるし、キャラクターの描写に深みがあって、放蕩者を装っているけれど傷つきやすい一面を持つヒーローの奥深い人間性を上手く書いている。こういう風に男性の繊細さを書ける作家ってなかなかいないと思う。なんとなくリズ・カーライルを彷彿とさせる作風で気に入ったわ。

 基本はコメディだけど、主役2人ともかなり重い過去があって心に傷を負っているので、笑いの中にも感傷的にさせられる部分があってグッとくる。過去のせいで自分に自信が持てず虚勢を張っているのが痛々しくて泣ける。 最初から両想いなのに、お互い嫌われていると思い込んでいて見事なすれ違いっぷり。すれ違いすぎて、本当にこの2人はくっつくのかと心配になっちゃった。男性陣の友情にもホロリとさせられたわね。表面的じゃなく本当にお互いを思いやっているのが伝わってきて良かった。前作のヒロインはここでも仲人役を買って出て事態を引っ掻き回し、大騒動を起こしてて笑えた。この作者は動物がらみのエピソードで笑わせるのが好きなのか、今作では犬の誘拐事件が起こるのだけど、脅迫状のくだりがどういうわけか笑いのツボにハマって爆笑してしまった。訳者さん、good job! 

 3作目はまだ翻訳が出てないけど出す予定はあるのかな?次の主役はお腹まわりのサイズがヤバい、双子の子持ちでやもめの子爵。もしや、腹の出たヒーローではウケが悪いから翻訳を出さないとか??(昔、エロイザ・ジェームズの四姉妹のシリーズで小太りなヒーローがいた気がする。確かシリーズの最初のほうでは小デブだったけど、ヒーローになった時にはダイエットしてカッコよくなってたんだっけ?)ハンサムで見目麗しいヒーローばかりじゃつまらないので、おデブでもOKよ。 

侯爵の帰還は胸さわぎ (ライムブックス)

侯爵の帰還は胸さわぎ (ライムブックス)

  • 作者: マギー・フェントン,緒川久美子
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2017/06/09
  • メディア: 文庫
Virtuous Scoundrel (The Regency Romp Trilogy Book 2) (English Edition)

Virtuous Scoundrel (The Regency Romp Trilogy Book 2) (English Edition)

  • 作者: Maggie Fenton
  • 出版社/メーカー: Montlake Romance
  • 発売日: 2015/10/06
  • メディア: Kindle

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