ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

恋はどしゃ降りの夜に エマ・ワイルズ

 お久しぶりのエマ・ワイルズ。この作者は本国ではそこまで有名作家でもなく、地味に売れてる感じだけど、何故か日本では人気があって、短編まで根こそぎ翻訳されている。アメリカ人作家にしては、この作者の書くヒロインは割と素直であまり押しが強くないので、日本人に受けが良いんじゃないかな。主人公のキャラクターがどの作品も似たようなタイプなのでワンパターンではあるけど安定した面白さがある。

 この作品も、なんとなく既視感のあるストーリーで、過去作の焼き直しっぽい感じがしたけど、ものすごく久しぶりの新作だったので新鮮な気持ちで楽しく読めた。独身主義のヒーローが、ヒロインをスキャンダルから救うために結婚して、最初は彼女と距離を置いていたけど、だんだんメロメロになっていくという定番のストーリー。意に反して結婚したとは言え、ヒロインを恨むわけでもなく割と優しいし、夜の営みにはノリノリで張り切るいつもどおりのエマ・ワイルズのヒーロー。ヒロインも美人で控えめ、だけど夜は情熱的でヒーロー大喜び!といういつものパターン。ヒーローは昔、愛した女性に婚約破棄された経験があり、そのせいで独身主義になったわけだけど、その婚約破棄にまつわる諸々の騒動の真相が結構衝撃的で面白かった。ヒーローの元婚約者はどうにも自己中で我儘な女性で、ヒーローを振って別の人と結婚したのだけれど、その結婚相手の男性がものすごく懐の広い人で、この自分勝手な女性を欠点も丸ごと愛していて驚異の包容力!この忍耐強さは並じゃない。主役ではないけど影のヒーローと言っていいと思う。それに引き換えヒーローはこんな女性と結婚せずにすんで、優しいヒロインと結婚できたんだからまさに棚からぼたもち。最後はすべて和解して丸くおさまってメデタシメデタシ。すごい感動作というわけではないけど、ロマンスのツボを押さえたストーリーでストレスなく読めるところが良いと思う。

 この作者は最近はKate Watterson のペンネームでミステリーを書いていて、エマ・ワイルズ名義ではあまり書いていないみたいだけど、日本人読者のためにもまたロマンスを書いてほしいな。 

恋はどしゃ降りの夜に (ラズベリーブックス)

恋はどしゃ降りの夜に (ラズベリーブックス)

 

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