ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

潮風がレディに口づけて キャサリン・アッシュ

 何年も前からずーっと積読になってたキャサリン・アッシュのデビュー作。既に廃刊になっている早川書房のイソラ文庫から出た作品。イソラ文庫は面白いのが結構あったのに、あっという間に終了してしまって残念だった。この作者はその後、オークラ出版からも翻訳が出てるから、意外と人気なのかと読んでみたけど、今作はデビュー作だからか全体に粗が目立ちいまひとつだった。

 プロットは独創的で良いのになあ。ヒロインがアメリカからイギリスに帰国する船旅で神父のヒーローと知り合って恋に落ちるけど、実はヒーローは、奴隷売買の捜査をするために神父のふりをしているだけで、本当はイギリスの子爵だった・・これはかなりワクワクする設定で、聖職者を好きになってしまったヒロインの禁断の恋がどうなるのかと興味を掻き立てられる。なかなか面白そうだと期待したけど、書き方がマズイのか話が見えにくく読みづらい。ヒロインは英国貴族の令嬢だけど、父親と確執があって反抗ばかりしていたため、罰としてアメリカに追いやられたらしいけど、その確執があまり詳しく書かれていないので無鉄砲な行動の根拠がよくわからずあまり共感できない。海賊に攫われた時に、海賊の親玉が面白がって、聖職者を欲望で苦しませるために、ヒーローを下着姿で縛り上げられたヒロインと一緒に部屋に閉じ込めたりしたのは、悪趣味ながらハラハラさせられるシチュエーションだったけど、相手が神父なのにヒロインが欲望に負けて誘惑しようとするのがいただけない。もっと罪悪感に苦しみなさいよと。全体的にヒロインがもっと苦悩してたら、切なくて泣けるロマンスになっただろうに、もったいない。イギリスに戻って再会した後も、悪徳貴族を屋敷に招いて証拠を探るサスペンスが面白くなりそうだったのに、ヒーローの本当の身分を知ったヒロインが傷ついて腹を立てることの繰り返しで間延びしてしまってあまり盛り上がらず残念だった。 

潮風がレディに口づけて (イソラ文庫)

潮風がレディに口づけて (イソラ文庫)

  • 作者: キャサリンアッシュ,Katharine Ashe,辻早苗
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/03/10
  • メディア: 文庫
Swept Away By a Kiss (Rogues of the Sea Book 1) (English Edition)

Swept Away By a Kiss (Rogues of the Sea Book 1) (English Edition)

  • 作者: Katharine Ashe
  • 出版社/メーカー: HarperCollins e-books
  • 発売日: 2010/07/27
  • メディア: Kindle

 

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