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家事場の女神さま / 本日も、記憶喪失。ソフィー・キンセラ

 久しぶりにソフィー・キンセラを読んだら面白くて、立て続けに2冊読んでしまった。

 「家事場の女神さま」はすごく楽しかった。凄腕の弁護士のヒロインが、仕事でミスをしてクビになり、ショックで逃げ出し電車に乗って行き着いた小さな町で、たまたま通りかかったお屋敷の奥さんに、家政婦の仕事に応募してきたと勘違いされて成り行きで家政婦になってしまうというお話。ヒロインの家事の能力のなさに笑いつつ、超多忙な弁護士の仕事から解放され、自分の人生を見つめ直したヒロインの成長にホロリとし、屋敷の庭師をしているヒーローとの恋にドキドキするという、笑えてほろ苦いチックリットの王道というべき展開。最初にヒロインが弁護士事務所をクビになった時点で、これは彼女のせいじゃなく誰かにハメられたんだろうと察しがついたので、いつそれに気づいて反撃に出るんだろうとワクワクしながら読んでいたけど、最終的にヒロインが濡れ衣を晴らし、勤めていた弁護士事務所をやり込めるところは、まさに気分爽快!やっぱりこういう仕事に恋に一生懸命な若い女の子のお話って良いわね。元気をもらったわ。

 「本日も、記憶喪失。」は、事故に遭い過去3年分の記憶をなくしてしまったヒロインのお話。歯並びも悪く髪もボサボサで小太りで、ろくでもない男と付き合い、会社では下っ端社員だったヒロインが、目覚めたら、歯は矯正してピカピカ、髪はサラサラストレート、体もほっそりして見違えるよう。さらに、会社では重役になっていて、ハンサムでお金持ちの旦那様までいるという夢のような状況になっていて大混乱。結局記憶喪失になっているとわかり、記憶のない3年間の間に自分に何があったのかを探るというお話。記憶喪失がテーマなので、なかなか興味深い内容だったけど、いつもよりユーモアは控え目かな。そしてロマンスのお相手は旦那様かと思いきや別の男性で、実のところ不倫関係だったというのがちょっと引っかかるところ。イギリス人は不倫に寛容なのかしら・・。ヒロインが自分の過去を探る過程は面白かったし、会社で自分の部署を守るために奮闘したところも良かったけど、「家事場の~」ほどの読後の爽快感はないかあ。

家事場の女神さま (ヴィレッジブックス)

家事場の女神さま (ヴィレッジブックス)

  • 作者: ソフィー・キンセラ,佐竹史子
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2013/02/20
  • メディア: 文庫
本日も、記憶喪失。 (ヴィレッジブックス)

本日も、記憶喪失。 (ヴィレッジブックス)

  • 作者: ソフィー・キンセラ,佐竹史子
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2012/05/19
  • メディア: 文庫

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