ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

闇のなかで口づけを レベッカ・ザネッティ

 Deep Opsシリーズ1作目。本国でも評判の良さそうな作家なので期待して読んでみたところ、かなり面白くて期待以上の作品だった。カルト教団から抜け出して逃亡生活を送っているヒロインと、その教団を捜査しているヒーローのロマンス。

 サスペンスの題材がカルト教団への潜入捜査で、怖いもの見たさで好奇心をそそられるテーマだし、この捜査チームが全員問題を抱えた一癖も二癖もあるメンバーばかりなのが非常に面白い。リーダーの凄腕プロファイラーもアル中で手が震えてるような男性だし、元軍人の捜査員も精神壊れかけ。ヒーローも過酷な任務のせいで疲弊して悪夢に悩まされている元刑事で、そんなはみ出し者たちが、間に合わせのボロいオフィスを作戦本部に、教団のテロを阻止するため必死で捜査するので、読者としてもチームに肩入れせずにいられない。エリートばかりの精鋭部隊じゃないところが良いわ。

 ヒーローは捜査のためにヒロインに近づいたけれど、2人は急速に惹かれあう。お互いに正体を明かすことが出来ず、相手のことがわからないまま、あっという間に関係を持って、予想以上に激しいロマンスだった。怯えて用心深いはずのヒロインもやけに積極的だし、ヒーローもかなりワイルドですごい。ワイルドすぎてヒロインのお尻を叩きだした時は、そういう系統だったのか(?!)とビックリしたわ。でもカルト教団にかかわっていた自分のような女はヒーローとは付き合えないけど、熱い夜を過ごすことならできると、切羽詰まって彼を求めるヒロインが切なくて、激しさの中に必死さが感じられるロマンスが良かった。

 潜入捜査はハードで、ドラッグを盛られたり、あの手この手で洗脳しようとする教団をかわしながら、テロの情報を探るヒーローにハラハラさせられたし、カルト教団の内情が不気味で興味深かった。ヒロインも守られてるだけじゃなく、自ら教団のリーダーと対面しに乗り込んで行く勇敢さが素晴らしい。お互いの気持ちを確かめあい、一緒の未来を夢見ながらも、テロを阻止するために命懸けで戦う二人が泣ける。最後まで気の抜けない展開でとても面白かった。チームの他のメンバーの話も読みたいから、これは是非続きを出してもらいたいわね。

  ただちょっと気になることがあって、この作品で、ヒーロー達が所属するのはHDDのチームということで、HDDとは、日本語訳が国土防衛省になってることから察するにHomeland Defense Department の略だと思うけど、アメリカにそんな省あったっけ??アメリカでテロ関係を扱ってるのは国土安全保障省で、DHS(Department of Homeland Security)だよね。HDDって初めて聞いたわ。これって本当に実在するのかな?なんだか気になってしまって調べてみたけど、HDDっていう機関は見つけられなかった。やっぱり作者の創作なのかな。それとも私が知らないだけ??

闇のなかで口づけを (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション(ロマンス・コレクション))

闇のなかで口づけを (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション(ロマンス・コレクション))

  • 作者: レベッカザネッティ,高橋佳奈子
  • 出版社/メーカー: 二見書房
  • 発売日: 2019/11/21
  • メディア: 文庫
Hidden (Deep Ops Book 1) (English Edition)

Hidden (Deep Ops Book 1) (English Edition)

  • 作者: Rebecca Zanetti
  • 出版社/メーカー: Zebra Books
  • 発売日: 2018/09/25
  • メディア: Kindle

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