真夜中シリーズ最新作。最初の3部作の後、しばらく期間を置いて再開したこのシリーズもこれで通算10冊。そしてまだ続くという。復活後はサスペンスがスケールアップして、最近は国家の危機レベル(!)の陰謀を毎回ASI社のメンバーが解決するという凄いことになってて笑う。ASI社がなかったらアメリカ合衆国は崩壊してるわね。大風呂敷広げすぎなストーリーだけど、この作者にリアリティを求める人はあまりいないと思うのでそこは問題なしということで。
毎度のことながら、細かいところは適当だけどやたらと壮大で派手なB級サスペンスに、完璧な運命の相手に出会って熱烈な恋に落ち、お互いに首ったけでメロメロなロマンスが楽しかった。本当にここまでワンパターンな作家はあまりいないわね。毎回飽きもせずよく読むなと自分でも思うけど、そういう人が多いから売れ続けているんだろうね。このメロメロ路線を死守して絶対にブレない作者は尊敬に値すると思うわ。ここまで作風が確立されていると大きな外れはないので安心感がある。
正直、シリーズ初期のこじんまりしたサスペンスのほうが良かったと思うし、長く続いてるせいで登場人物が増えすぎて、脇役の描写が主役のエピソードを圧迫している気がするけど、愛着のあるシリーズだから多少の劣化は大目に見るので、これからも頑張って書いて下さい、ライス先生。
- 作者: リサ・マリー・ライス
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2019/09/27
- メディア: Kindle版
Midnight Renegade (Men of Midnight)
- 作者: Lisa Marie Rice
- 出版社/メーカー: Lisa Marie Rice
- 発売日: 2019/06/14
- メディア: ペーパーバック