ナンタケットの花嫁シリーズ2作目。前作のカップルに比べると、今作はヨーロッパの小国の皇太子と普通のアメリカ人女性のロマンスなので、色んな障害があり前途多難で面白かった。普段なら王子様が出てくるようなメルヘンチックなロマンスはどちらかというと好みじゃないけれど、今作はそもそも、幽霊は出てくるわ、生まれ変わりやら、タイムトラベルまである不思議なストーリーなので、王子様でも何でも来いという感じ。
惹かれあっている2人なのに、ヒーローには親に決められた婚約者がいて、どうにもならないのが切ない。まあ、ヒーローの双子の弟がその婚約者に恋してるから、結末は何となく予想がつくんだけど。今作は、タイムトラベルもどきなエピソードが多めで、過去に引き裂かれた恋人たちをくっつけようと、二人が奮闘するのが楽しかった。「時のかなたの恋人」を書いた作者だから、こういうストーリーは得意よね。前作より短めだけど、内容は同じくらい盛り沢山で、2作目なので設定がある程度わかっているぶん説明的な描写が少なく、中身が濃くて良かった。このシリーズは三部作だけど、3作目はもう出ないのかな。
誘惑は夜明けまで (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション(ロマンス・コレクション))
- 作者: ジュード・デヴロー,阿尾正子
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2016/07/21
- メディア: 文庫
For All Time: A Nantucket Brides Novel (Nantucket Brides Trilogy)
- 作者: Jude Deveraux
- 出版社/メーカー: Ballantine Books
- 発売日: 2015/04/28
- メディア: マスマーケット