The Townsends シリーズ1作目。戦争で片足を失った義足の伯爵がヒーロー。ヒロインは幼い頃に両親を亡くして、親戚の家を転々としていた孤児。不幸な境遇の二人のロマンスなので感動的なストーリーを期待したけれど、あまり刺さるところのない作品だった。スコットランドが舞台で、荒野の殺伐とした雰囲気はよく描けていて、文章は悪くないと思う。サクサク読めるし、特別悪いところはないのだけれど、インパクトに欠ける。300頁弱の短い作品だからか、キャラクターの魅力を描ききれていない印象で、ストーリーも表面的な感じがして全体的に薄い。面白くなりそうな要素は色々あるのに、盛り上がりがいまひとつでもったいない。
ヒロイン曰く、“素敵な膝をしている” 筋肉隆々の土地差配人に、ヒーローの妹たちが見とれていたので、シリーズの続編は、この差配人と伯爵の妹の身分違いの恋かな、などと思いながら読んでいたけど、どうも違うみたいで、シリーズの3作目がこの差配人の男性とヒーローのハンサムな弟(!)のロマンスらしい。ゲイだったのね・・・。
戦争で心身ともに傷ついたヒーローをヒロインが癒すロマンスなら色んな作家が書いていて、もっと面白いのがあるから、わざわざこれを読む意義はあまりない気がする。むしろ3作目を出すべきだったかも。ジャンルが違うけど・・・。
- 作者: リリー・マクストン,草鹿佐恵子
- 出版社: オークラ出版
- 発売日: 2019/02/09
- メディア: 文庫
Enchanting the Earl (The Townsends Book 1) (English Edition)
- 作者: Lily Maxton
- 出版社/メーカー: Entangled: Scandalous
- 発売日: 2017/04/17
- メディア: Kindle版
↑シリーズ3作目はこれ。他にも短編で女性同士のロマンスもあって、何でもアリなシリーズ?!