ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

さよならのその後に シャロン・サラ

 シャロン・サラは最近は犯罪+災害というパターンが多いような。これもハリケーンを絡めたサスペンスだった。

 この作者は、事件そのものよりもそれに関わる人々の人間ドラマを書くことにより力を注いでいるから、主人公の境遇が気の毒だったり重い話が多いけど、サスペンス自体は割と単純で、この作品でも悪役は割と間抜けだし犯罪にも特に驚くようなトリックはなく、むしろ捜査がトントン拍子に進みすぎで先が読めてしまい、そういう面での面白さはあまりなかった。

 ロマンスは、病気で息子を失い、悲しみから離婚してしまった夫婦の再生を描いていて良い話だと思うけど、こちらも割とトントン拍子に復縁して元の鞘におさまったので、もうちょっと山あり谷ありでも良かった気がする。まあ、ヒロインがひどい目に遭っているから、それだけでも十分な災難ではあるし、ヒロインに一途な優しいヒーローがこの作者の定番だから、それはそれで良いのだけど。

 犯人の両親のエピソードに結構頁が割かれていたけど、本筋とあまり関係ないし父親が浮気者だったというのは蛇足な気がする。エピローグで母親が新天地で楽しく生活している描写があるから、酷い夫に耐えた彼女は幸せになり、夫と息子には天罰が下って因果応報だと言いたいのかな。この作者は若干宗教がかった教訓めいたエピソードを入れることが多いわよね。

それから、これはネタバレかもしれないので、畳んでおきますが、

 

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殺し屋が実は女性というのは意外ではあったけど、そのことでストーリーにたいした影響はなく別に男でも良かった気がするのであの展開は少しわざとらしく感じられた。(カレン・ローズの「木の葉のように震えて」では犯人の性別が判明したときにかなり驚かされたけど、あれくらいのインパクトが欲しいと思った。日本語だとセリフで性別がわかってしまうから、翻訳者は苦労しただろうけど・・)

 

 読みやすいし良い話だったけど、サスペンスもロマンスもやや凡庸で、この作者の作品の中では普通という感じかなあ。シャロン・サラは嫌いじゃないけど、そこまでのファンでもないので辛口でスミマセン。

さよならのその後に (MIRA文庫)

さよならのその後に (MIRA文庫)

  • 作者:シャロン サラ
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ジャパン
  • 発売日: 2019/09/13
  • メディア: 文庫
Dark Water Rising (English Edition)

Dark Water Rising (English Edition)

  • 作者:Sharon Sala
  • 出版社/メーカー: MIRA
  • 発売日: 2019/01/29
  • メディア: Kindle

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