ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

ミッシング・ガール ミーガン・ミランダ

 一日ずつ時間が戻っていく不思議なミステリー。故郷にいる認知症の父親が漏らした一言で過去の事件が蘇り、ヒロインが実家に戻って来た1日目の後、いきなり15日目に飛んで、それから14日目、13日目と日付を遡って書かれている。フラッシュバックやフラッシュフォワードを織り交ぜて複数の時系列を並行して書く手法は時々見るけど、この作品のように一日ずつ遡っていくというのは斬新で面白いアイディアだと思う。結局のところ、謎を解く鍵は過去にあるわけだから、過去の情報を小出しにしていけば、日付を遡って書いてもミステリーとして成立するわけだ。断片的に事実を与えられるだけでなかなか全体像が見えてこないから、終盤まで謎が持続するし、よく考えたなあと思う。

 基本となるストーリーは、10年前にヒロインの友達が行方不明になった事件の謎を解くミステリーなんだけど、その友達というのが、周りを翻弄する魔性の女みたいなタイプで、いかにも闇を抱えた女子高生という感じだったのはこの作者が元々はYA小説を書いてた名残かな。この作品の目玉は何と言っても時系列を逆行するというトリックなので、ミステリーとしてはなかなかの出来だと思うけど、人間ドラマとしては、そこまで心を打つものはなかったかも。まあアイディア自体が画期的だし、それは求めすぎかな。キャラクターにもう少し共感できると良かったんだけど。

 これを読んでいて、昔読んだ、ナンシー・ピカードの「凍てついた墓碑銘」って作品をちょっと思い出した。あれも高校時代に起きた殺人事件が、十何年か後にまた掘り起こされる話だったけど、事件によって人生を狂わされてしまった若者たちの悲哀みたいなのがよく描かれてて、人間ドラマとして秀逸だったと思う。 

ミッシング・ガール (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

ミッシング・ガール (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

All the Missing Girls

All the Missing Girls

  • 作者:Megan Miranda
  • 出版社/メーカー: Atlantic Books
  • 発売日: 2017/03/02
  • メディア: ペーパーバック

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