タイトルはそれっぽいけどロマンス小説ではありません。「妄執サイコ・サスペンス」だそうですが、それほど怖くなかった。ミステリーで味付けした、病める人たちの不幸なラブ・ストーリーという感じかな。謎に関しては、半分くらい読むと何となく察しがつくので、そこまで驚愕ってわけではないけど、このラストの救いの無さは後味悪すぎてビックリだわね。
主人公の男性には12年前に失踪して行方不明になった恋人がいて、彼女のことはものすごく愛していたけどもう見つからないと諦めて、今付き合っている恋人と結婚しようとする。すると失踪した恋人が戻って来たと思わせるような不思議な現象が起きて、だんだん精神的に追い詰められていく。この主人公、失踪した恋人のことを愛しすぎるくらい愛してたから気の毒ではあるんだけど、その愛のせいでどんどんおかしくなっていって、愛は凶器になり得るんだなあという話だった。
主人公が思い込みの激しいタイプの男性で、一人で勝手にパニクってるように思えてちょっと共感しづらいけど、ストーリーはそこそこ面白かった。
- 作者:B・A・パリス
- 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
- 発売日: 2019/03/15
- メディア: 文庫