ロマンス小説感想日記

ロマンス小説感想日記

海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

嵐の丘での誓い / カリブの潮風にさらわれて アイリス・ジョハンセン

 ジョハンセンの初期作。「嵐の丘での誓い」は1983年に書かれたこの作者のデビュー作みたい。駆け出し女優のヒロインと大物プロデューサーのヒーローのロマンス。83年だからこういうストーリーがウケたのかもしれないけど、20歳そこそこのヒロインに言い寄る30代後半のヒーローが、初めのほうはちょっとセクハラ入ってて、ハリウッドでMe Tooのムーブメントが起きた後の今だとその筋からクレームが来そうだわね。ジョハンセンはサスペンスしか読んでなかったから、こういうコテコテのロマンスを読むと違う作家かと思ってしまう。でも後に人気作家になるだけあって、デビュー作でも結構上手い。年上の世慣れたヒーローが若い清純なヒロインにメロメロになるというよくあるパターンで、ストーリーはたいしたことないけど、キャラクターに存在感があって活き活きしている。やけに歳の離れたカップルだし、ヒーローの迫り方が強引すぎてちょっと犯罪っぽいところに時代を感じるけど、なかなか面白かった。

 続いて関連作の「カリブの潮風にさらわれて」も読んでみた。このヒーローは「嵐の丘~」のヒーローの親友で、世界的に有名な映画監督だけど女性関係が派手でしょっちゅうスキャンダルを起こしている。核反対運動をしている女子大生のヒロインが彼の船に忍び込み、なりゆきでクルーズに同行することになってロマンスが芽生える。年上のプレイボーイのヒーローが純情なヒロインに夢中になるという、前作とほとんど同じパターンだけど、今作のヒロインのほうが威勢が良くてヒーローを振り回している。最初の爆弾の件でサスペンス的な展開を期待していたけど、あっさり片付けられて犯人もわからずじまいだったのが拍子抜けだった。ストーリーに稚拙なところはあるけれど、ぐいぐい読ませる勢いがあると思う。ヒロインが次々とむこうみずな行動で騒ぎを起こすので退屈しないし、ロマンスとしては良かった。(個人的には前作のヒロインのほうが落ち着いていて好きだけど。)

 すごく久しぶりにアイリス・ジョハンセンを読んだけど、初期のカテゴリー・ロマンスも割と面白いな。昔、この作者のサスペンスが好きでよく読んでいたのよね。最初に翻訳された「スワンの怒り」の発売時、確か「シドニー・シェルダンより面白い」みたいな宣伝文句で売っていて、当時S・シェルダンがお気に入りだった私にはドンピシャだったから読んでみたところ、本当に面白くてすっかりファンになってしまった。思えば二見文庫を初めて買ったのが「スワン~」だったな。その頃、翻訳小説はアカデミー出版ばかり読んでいたから。イヴ・ダンカンのシリーズも二見が出してた時は読んでたけど、それ以降は読んでないな。

無断転載禁止 copyright © 2018 BOOKWORM