賭博で借金地獄に陥っているヒーローと、母親が娼婦で父親不明の私生児のヒロインとのロマンス。短いのですぐに読めるけど内容も薄かった。キャラクターの魅力が乏しくて、特にヒーローにはあまり良いところがないなあ。やむを得ない事情で賭博をしているならともかく、これは完全にギャンブル依存症だし、ヒロインと出会ってやっぱり真面目に働くほうが良いと気付くのだけど、そんなこともっと早く気付いてもよさそうなものなのに・・。ギャンブルに嵌ってしまった葛藤とか、そういうのもあまり書かれていないからキャラクターに深みがなくて薄っぺらな印象。
短いから仕方ないのかもしれないけど、ロマンスもあまり心の機微みたいなものが感じられなかったし、ストーリーも都合良すぎる気がした。ヒロインは娼婦の娘として生まれたけど、母親と同じ道は歩まないと心に決めて、真っ当な生活をするために父親を探している。気の毒な境遇ではあるけど、やはりそこまでの悲嘆が感じられなくて、あまり感情移入できなかったわ。全体的に軽くて、さらっと読めたけど心に残るものがないなあ。
ライムブックスは最近はヒストリカル専門みたいになってるけど、昔は現代もので面白いのを色々出してたのよね。イマイチなヒストリカルを出すくらいなら現代ものを出せばいいのに。
- 作者:エリカ・リドリー
- 発売日: 2020/04/09
- メディア: 文庫
Lord of Chance (Rogues to Riches)
- 作者:Ridley, Erica
- 発売日: 2017/04/07
- メディア: ペーパーバック