ロマンス小説の中で、シークものって人気があるのかな?普段は好んで読むテーマではないけど、kindle unlimitedに入っていたので読んでみた。
ヒーローはイギリスと中東のベドウィン族のハーフで、英国の子爵でもありシークでもあるという都合の良い設定。ヒロインは考古学者志望のアメリカの令嬢で、エジプトでファラオの墓の発掘をしようとしている。あとがきで、作者の好きな作家にダン・ブラウンの名前があったので、恐らくラングドンシリーズの影響で、こういう遺跡発掘系の話を書いたんじゃないかと思うけど、所詮ロマンス小説だからその辺はかなり適当で、そこまで有能とも思えないヒロインがどういうわけか簡単に遺跡の謎を解いて魔法のように発掘が進んでいくという。まあこの手の小説にダ・ヴィンチ・コード並みの謎解きを期待する人はいないと思うので、ヒストリカル・ロマンスとしては平均的な出来のストーリーだと思う。ハーフであるがために差別を受けて悩むヒーロー、なぜか命を狙われるヒロイン、よくわからないファラオの予言とか、やや子供だましではあるけれど色々盛り込んでそこそこ楽しめる内容になっている。主役の2人は出会った瞬間から強烈に惹かれあい、ヒーローは下半身が反応しまくりで、そういう描写には力が入っているから、やはりこの作品の一番の売りはホットなロマンスだよね。単純なストーリーでヒロインの命を狙う者の正体もバレバレだけど、ロマンスとしては悪くない。タイトルはシークを強調しているけど、このヒーローはハーフだし思考は英国人寄りで、ヒロインを略奪するわけでもなく、彼女が自分を受け入れてくれるかウジウジ悩んでいて、民族衣装を着てるだけのなんちゃってシークという感じだから、普通の英国貴族のロマンスとあまり変わらない印象だった。
- 作者:モニカ・バーンズ
- 発売日: 2020/04/10
- 作者:Burns, Monica
- 発売日: 2017/08/21
この作品はkindle unlimitedに入っていました