ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

ある男ダンテの告白 ケアリー・ボールドウィン

 「戦慄のサイコ・サスペンス」とか書いてあるけど中身は完全にロマサス。これはハーパーBOOKSではなくMIRA文庫から出せば良かったのに。ロマサスだと思えば、ロマンス小説にしてはサスペンスもなかなか頑張ってるなと好意的に受けとめられるけど、真面目なサイコ・サスペンスだと思って読んだら、捜査中なのにやたらイチャイチャしている主役カップルに唖然とすると思うわ。

 ヒロインは駆け出しの精神科医で、ある日、患者が自分は連続殺人鬼だと告白する。統合失調症のその患者は、妄想を抱いているだけで実際は殺人を犯していないと思った彼女は、患者の異母兄とともに事件の真犯人を探すことに。その異母兄がヒーローで、無駄にハンサムで金持ちだし、初対面でヒロインに一目惚れして、彼女の身を案じて家のセキュリティにケチをつけたり保護欲満載になっている。典型的なロマンス小説のヒーローだわね。

 サスペンスは、戦慄の~と言うわりにはそんなに怖くないけど、そこそこ面白かった。作者自身も医者だそうで、精神科医のヒロインのキャラクターに、知識の裏付けが感じられた。でもヒーロー、ヒロインともにステレオタイプであまり新鮮味はなかったな。キャラクターとしては悪くはないけど、もうちょっと際立った何かがあると良かった。ちなみにこの作品はシリーズの2作目だけど、ヒロインの義兄がヒーローの1作目は翻訳されていない。別のシリーズの「二度目の審判」が出ていて、そちらのほうがミステリー色が濃くて評価が高いみたい。 

Confession (Blood Secrets Book 2) (English Edition)

Confession (Blood Secrets Book 2) (English Edition)

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