ロマンス小説感想日記

ロマンス&ミステリー小説感想日記

海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

聖なる罪びと テス・ジェリッツェン

 リゾーリ&アイルズ3作目。このシリーズ、1~2作目はずいぶん昔に読んだけど、3作目が未読だったので今更ながら読んでみた。やっぱり面白いわ。今作は検死医のアイルズがヒロイン。熱血刑事のリゾーリといつも冷静沈着なアイルズの対照的なキャラクターが良いのよね。男勝りで口の悪いリゾーリが妊娠して気弱になってるのが気の毒でなんだか感情移入してしまった。以下ネタバレ注意。

 

 修道女が殴殺されるというショッキングな事件が起き、殺された若い修道女が実は出産直後だったという衝撃の展開。捜査するうちに意外な事実がわかってくる。突然訪ねてきたヒロインの元夫は、昔の情熱をよみがえらせて彼女の心を乱すヒーロー役だとばかり思っていたら、彼の仕事が事件に関連していてビックリ。ストーリーが本当に良く出来てて感心する。作者が医者だけに、今作も病気の描写がかなりグロくて怖かった。ヒロインと司祭の微妙な関係が気になるわ。もしや、禁断の恋?!続きが翻訳されていないのが残念。

聖なる罪びと (文春文庫)

聖なる罪びと (文春文庫)

The Sinner: A Rizzoli & Isles Novel (English Edition)

The Sinner: A Rizzoli & Isles Novel (English Edition)

 

 ついでにこの作者の初期作、「真夜中に電話が鳴って」も読んでみた。ハーレクインにしては本格的なサスペンスで面白かった。新婚の夫が出張先で亡くなったと知らされるヒロイン。銀行員だと思っていた夫は実はスパイで、そのせいで彼女も命を狙われることに。ヒーローは内務省の官僚で、夫が亡くなったことをヒロインに告げるけれど、その死に疑問を感じて調査をすると、さらに不審な事実が浮かびあがってくる。夫がまだ生きていることを知り、彼を探して真実を突き止めようとするヒロインと、彼女を放っておけなくて助けるヒーロー。これを長編にしたらさらに面白いんじゃないかと思わせるストーリー。ヒロインが生物学者だから、もっと話を広げられそうだけどハーレクインだと頁数に制約があるからこれくらいが限界だもんね。ハーレクインとしては十ニ分に面白いけど、「聖なる罪びと」を読んだ後だとちょっぴり物足りなく感じてしまう。

真夜中に電話が鳴って (MIRA文庫)

真夜中に電話が鳴って (MIRA文庫)

Call After Midnight (English Edition)

Call After Midnight (English Edition)

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