ロマンス小説感想日記

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白い吐息のむこうに アンドレア・ケイン

 アンドレア・ケインは初めて読んだけど、翻訳が4作出ているということは、そこそこ人気のある作家なのかな?キャリアは結構長いみたいで、デビューして10年くらいはずっとヒストリカル・ロマンスを書いていたけど、そこまでの人気はなくて、ロマサスに転向したら売れてきたらしい。

 母親が殺人事件に巻き込まれ、私立探偵の父親を手伝って事件を捜査する獣医のヒロイン。両親は離婚しているけど、お互いに相手のことを忘れられずにいて、これは事件が解決したら復縁するパターンだなと。母親は殺されそうになったけれど何とか逃げ出し安全な場所に隠れているとわかっているから、ヒロインもそこまでの緊張感はなく、全体的にヌルい展開だった。まあ、母親が無事だとわかっているからこそ、ヒーローとの恋愛にうつつを抜かしていられるので、ロマサスとしてはこのストーリーで正解なのかもしれない。捜査でヒロインが担当したのは、殺された男性の一族のリッチでイケメンの孫息子2人とそれぞれデートして情報を聞き出すという美味しい役割で、いかにもロマンス小説的な展開に笑った。デートもやけにロマンティックで、捜査の一環なのに楽しそうだったな。

 事件は同族経営の大会社での内輪もめが殺人に発展したもので、捜査していくうちに一族の複雑な人間関係が浮かび上がってきて、そこそこ面白かった。ヒロインも途中で敵に狙われるけれど、結局、姉と間違えられて誘拐され危険な目に遭ったのはヒロインの妹で、割を食って気の毒だった。ヒロインはと言えば、2人のイケメンに言い寄られてモテモテ、その2人のうちの優しくて素敵なほうと恋に落ち、たいして危険な目に遭うこともなく、最後には彼からプロポーズまでされるというラッキーな役回りで、ちょっと上手くいきすぎという気がしないでもない。主役なんだから、もっと絶体絶命の状況に陥ってくれたら面白かったと思う。でもロマンスとして見れば、美男美女のカップルがロマンティックなデートをしてお互いに夢中になるという展開は悪くなかった。

 ロマサスでも、エリカ・スピンドラーとかアリスン・ブレナンは、男性作家に負けるもんか!とでも思っているのか、とにかく怖くて凄惨な事件を書こうとしている気がするけど、アンドレア・ケインはその逆で、残酷すぎないユルめのサスペンスで、ロマンスの展開を優先していたように思う。(1冊しか読んでないので他は知りませんが・・。)他の作品も読みたいかと言われたら微妙なところだな。あまり怖いサスペンスはちょっと・・・という人には読みやすくて良いと思う。

白い吐息のむこうに (ライムブックス)

白い吐息のむこうに (ライムブックス)

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