ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

路地裏の伯爵令嬢 ロレイン・ヒース

 ヒストリカル・ロマンスでは身分違いの恋は定番中の定番で、これまで同じテーマの作品を数えきれないくらい読んできたけど、これほど心を揺さぶられる作品はなかなかないと思う。身分差ロマンスに母性愛を絡めた見事なストーリーで、涙腺を刺激されること間違いなしの傑作だった。以下なるべくネタバレしないように書いてますが、一応注意。

 伯爵令嬢のヒロインと平民のヒーローは若くして恋に落ちたけれど、2人の仲はヒロインの父親に引き裂かれてしまう。お互いのことを誤解して恨みを抱いたまま7年後に再会した2人。再会後、誤解は解けたけれど、2人とも離れていた間にとてつもない苦しみを経験していて、あまりにも悲劇的な成り行きに愕然とした。ヒロインが捨てられた子供たちを救う仕事に必死になるのにも尤もな理由があって、無邪気な貴族の令嬢だったヒロインの変わりように驚かされる。ヒーローは誤解が解けるとすぐに彼女を取り戻そうとし、彼女への愛がどこまでも揺るがないのが素敵だった。これほどの困難をくぐり抜けてきた2人だから、幸せになってほしいと願わずにいられない。身分差がありながらもお互いに夢中になった若い恋と、大人になって再会してからのほろ苦い恋との対比が上手い。辛い恋だけに、ロマンティックな甘いエピソードに癒された。ヒーローが捨てられた貴族の庶子で、運良く優しい養母に育てられたという設定が効いていて、ストーリー展開の巧みさに舌を巻く。ヒロインの決断には涙を禁じ得ず、苦労知らずの令嬢だった彼女の成長が感動的な物語だった。流石はロレイン・ヒース。これはもう読むしかない!!

路地裏の伯爵令嬢 (mirabooks)

路地裏の伯爵令嬢 (mirabooks)

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