ハーレクイン・ヒストリカルは、もう何年も読んでいなかったけど、ジュリア・ジャスティスの新作が出たので久しぶりに読んでみた。昔、デボラ・シモンズや、二コラ・コーニック、エリザベス・ロールズとか、人気のある作家を一通り読んだけど、一番面白いと思ったのがジュリア・ジャスティスだったな。
この作者も昔の作品は捻りがあって好きだったけど、何だか普通になっちゃって、割とありきたりな話だった。ヒーローが優しくてヒロインに夢中なところは良かった。ヒロインは自立した生き方を望むお転婆な令嬢で、気の毒な境遇でも健気に頑張っていて好感が持てる。主役カップルのメロメロぶりが楽しかったけど、何だか短すぎて物足りない。ストーリーはこの長さにしてはちゃんと起伏もあり面白いから、もうちょっとエピソードに肉付けして読み応えアップしてほしい。ヒロインが酷い目に遭った過去の事件もサラッと流してるけど、悲惨な経験をしたのだから、もっと深く掘り下げたら泣けるストーリーになったんじゃないかなあ。最近のハーレクイン・ヒストリカルは昔より頁数が少なくなってて、つまり原文を編集してカットしてるってことで、読者としてはあまり嬉しくないわね。まあ、短くまとまっていて、サクッと読めるのがハーレクインなんだろうけど・・。
これは双子の姉妹が主役の2部作なのに、1作目は飛ばして2作目を出したのはなぜだろう。双子のもう一人のほうの話も面白そうなのに。
伯爵の不都合な花嫁 (ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル)
- 作者:ジュリア ジャスティス
- 発売日: 2020/07/27
- メディア: Kindle版