ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

口づけは復讐の香り L・J・シェン

 この作者の前作「愛は闇のかなたに」も良かったけど、これはさらに面白かった。Goodreads choice awardsのBest Romance 2019で7位だったらしい。自分も原書の評判を調べるのによくGoodreadsを見ていて、Awardsもロマンスやミステリー部門はチェックしているけど、こういう読者の投票で決まる賞は、実際に人気のある作品が選ばれるから参考になるわよね。

 ストーリーは、基本的には前作と似たような感じだけど、面白さはパワーアップしている。父親がマフィアの親玉で、厳しく育てられた箱入り娘のヒロインと、彼女の父親に恨みを持っている上院議員のヒーローが政略結婚する話で、ヒーローの非情さが半端じゃない。ヒロインには将来結婚したいと思っていた幼馴染の男性がいるものだから、そのもつれた三角関係と嫉妬がとんでもないことになってて面白いのなんのって。ヒロイン19歳、ヒーロー30歳の年の差婚で、お嬢様ヒロインがヴァージンを捧げるところはかなりショッキング。最初から最後まで緊張感に満ちていて、読み始めたら止まらないストーリー。ヒロインの父親に報復するために無理やり彼女と結婚したヒーローは、最初は嫌な奴に思えるけれど、壮絶な過去があって復讐心の塊になったのも納得。複雑なキャラクターで奥が深い。ずっと父親の言いなりだったヒロインに独立心が芽生え、破れた初恋も乗り越えてヒーローと愛を育んでいくようになるまでがドラマティックに書かれていて本当に面白かった。この作者のベストだという原書の評判に違わず、期待を裏切らない出色のロマンスだった。これは読まなきゃ損だわ。(エピローグはいくらなんでも話が出来すぎで、そんなに若くして大統領になるなんて、アメリカンドリームにも程があるだろうと・・。せめて国務長官とかにしておけば信憑性があったのに。本筋には関係ない部分だからいいけど。)

 記事の最初のほうにリンクを張っておきましたが、Goodreads choice awardのラインナップを見てみるのも一興ですよ。9月に二見文庫から新作が出るコリーン・フーヴァーはこの賞の常連だし、出版社も参考にしてるのかな?2019年のロマンスの1位はゲイの話みたい。ぶっちぎりの1位で面白そうだけど、ゲイが主人公だと翻訳は出ないだろうな。

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