ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

ときどき私は嘘をつく アリス・フィーニー

 これはすごいミステリーだわ。一躍ベストセラーになったイギリスの女流作家のデビュー作でドラマ化も決まっているらしい。アイディアが斬新でミステリーを読み慣れた人でも驚くと思う。見事などんでん返しに脱帽。

 いきなりヒロインが病院で昏睡状態に陥っているところから始まり、初っ端から一体どういうことなのかと物語に引き込まれる。ストーリーは、“現在”、“少し前”、“だいぶ前”という3つの時間軸で構成されていて、“少し前”というのはヒロインが事故に遭う直前の数日間のことで、“だいぶ前”というのは彼女が子供の頃の日記。変わった構成だけどとても良く考えられている。最初のうちは、ヒロインの惨めな人生に同情していたけれど、読み進むにつれ彼女がどういう人間なのかわからなくなり混乱してくる。タイトルどおり、ヒロインが自ら“ときどき私は嘘をつく”と明言していて、何が真実なのかとストーリーに釘付けにされ頁をめくる手が止まらない。そして驚きの展開が待っていて、これには本当に度肝を抜かれた。いやもう完全に騙されたわ。これだけ捻りの効いたミステリーはなかなかお目にかかれないと思う。絶対面白いのでミステリー好きの方に是非お勧め。女性が主人公で読みやすく、残虐な犯罪で読者を驚愕させるのではなく、巧妙な叙述トリックで読者をあっと言わせる、非常に良く出来たミステリーだった。

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