ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

愛の旋律は鳴り止まず メアリ・バログ

 Survivors' Club シリーズ最終巻。48歳の公爵と39歳の音楽教師のロマンス。公爵はもっと年上だと思っていたのに意外と若かったけど、ロマンスの主人公としてはかなり年のいったカップル。年齢は高めでもいつも通りのこの作者らしいしっとりしたロマンスで良かった。シリーズのこれまでの作品で仲間たちを支えてきた優しい公爵がついに結婚かと思うと感慨深いものがある。

 ヒーローの亡くなった奥さんはあまり良い人ではなかったのだろうとは思っていたけど事実がわかって驚愕。これほど悲惨な結婚生活に耐えていたなんて気の毒すぎて泣ける。17歳で親に強制的に結婚させられて、こんなむごい仕打ちを受けたら人間不信になってやさぐれても当然なのに、酷い奥さんに黙って耐え、息子を大切にしていたヒーローは、若い時から人間が出来ていたのね。こんな優しいヒーローに求婚されたヒロインは幸せ者だわ。ヒロインはまだ少女の頃に母親が子供たちを置いて出て行ってしまい、結婚をあきらめて幼い妹を育てた苦労人。母親がいなかったので姉妹の絆が深くお互いを大切に思っていて、その姉妹愛には胸を打たれる。39歳でちょっと年増だけど、若い頃に社交界デビューを果たせなかったヒロインが、遅れてやってきた春にウキウキしているのがちょっとカワイイ。年齢や境遇の割には捻くれたところがなく、素直に自分の幸運を喜んでいるところが良かった。

 ヒーローの亡くなった奥さんの兄が一騒動起こし、ヒロインが危機に陥ってハラハラさせられる一幕が、穏やかに進行するロマンスのハイライトになっていてドラマティックだった。エピローグではシリーズのこれまでのキャラクターが全員集合し、それぞれのカップルの子供たちまで大量に登場してまさに大円団。心温まるストーリーに癒される素敵なロマンスだった。

愛の旋律は鳴り止まず (ライムブックス)

愛の旋律は鳴り止まず (ライムブックス)

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