ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

逃げ出したプリンセス へスター・ブラウン

 タイトルと装丁からメグ・キャボットみたいなヤングアダルト小説かと思ったけど、一応大人の女性向け。イギリスの田舎町出身の労働者階級の女性と地中海の公国のプリンスが恋に落ちるストーリー。ロイヤルファミリーに嫁入りすることの大変さをやや辛口のユーモアを交えて描いていて、恋に仕事に頑張るヒロインの奮闘がメインのチックリット。

 ヒーローはプリンスだけどイギリスの金融街ファンドマネージャーとして働いている真面目で誠実な男性で、出会いから素敵なデート、愛の告白にプロポーズまで、とにかくゴージャスでロマンティック。ヒロインのことをとても大切に思っていて、容姿も性格も非の打ちどころなし・・って、あまりにも完璧すぎるよ。こんなプリンスいるわけないって。ヒロインのほうは普通っぽくて親近感が湧くタイプ。花が大好きな素朴な女性で、農業大学で造園学を学び、卒業後に起業してガーデンデザイナーの仕事をしている。内気な性格で口下手だったり、困ったら逃げる(笑)ところとか、共感できる部分が多い。自虐的なユーモアがツボにハマって結構笑えた。やはり一般人がプリンスと結婚するにはキャサリン妃くらい図太くないとダメよねぇ。

 プリンスの恋人になったことでヒロインに次から次へと災難が降りかかるので退屈する暇がなく、上下巻で結構長いけど、読み始めたらそれほど長さを感じなかった。ロイヤル・ロマンスが好きな人なら楽しめると思う。王子様との恋というのはちょっと少女趣味で非現実的なところがあり、自分の好みとはちょっと違うんだけど、意外と楽しく読めた。

 「逃げ出したプリンセス」みたいなラブコメは、創元推理文庫のラインナップにしては珍しいタイトルだと思うけど、そういえば何年か前にここの出版社が出したケルスティン・ギアの「夫に出会わないためのTo Do リスト」という作品もラブコメ風のストーリーで面白かった。読んだのはだいぶ前だから細かいことは忘れてるけど、笑えるタイムトラベルものでとても楽しかった覚えがある。ドイツの作家だけど本国ではかなり人気があるらしい。そちらもおススメなのでついでに紹介しときます。

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