ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

壁の花の小さな嘘 ステイシー・リード

 数年前に刊行されたステイシー・リードの「誘惑の夜に溺れて」は、あまり中身のないストーリーでイマイチだったので、この作者には良い印象がないのだけれど、その後も多くの作品を書いていて人気もあるようなので、最新作ならデビュー作より進歩しているだろうと思い読んでみた。うーん・・自分はこの作者とは相性が悪いのか、これもあまり面白いと思えなかったな。ファンの方は以下の感想はスルーしてください。どちらかと言うとネガティブなレビューなので気分を害される恐れがあります。さらにネタバレもしてますのでご注意を。

 

 ヒロインは貴族の令嬢だけど、父親が早くに亡くなって困窮し、持参金もコネもないため嫁に行き遅れて壁の花になっている。自分が有力者と婚約すれば、妹たちは結婚できるだろうと考え、スコットランドの城に引き籠っているという噂の公爵との婚約をでっちあげる。タイトル通り小さな嘘なら良いのだけど、噂を聞いて彼女に会いに来た公爵家の弁護士を騙し、公爵のお金でボロ家から立派なお屋敷に引っ越して馬車も用意させるって・・完全に詐欺じゃん。公爵も公爵で、普通は怒るだろうに、ヒロインのことを面白がって、大胆で魅力的な女性だ・・・って、えぇぇ、どのへんが??と突っ込まずにいられない。ほとんど犯罪みたいなことをしている彼女のことを、会う前から度胸があって凄い女性だと褒めているなんて、ヒロインに都合良すぎる展開で何だかなあ。

 ヒーローの公爵は火事で怪我をして、顔に傷があり脚も少し不自由で、さらには不能らしい。なんだかんだでお互いに気のある2人はダメよと言いつつイチャイチャしては、ナニが反応を示しそうなんだけどやっぱり堅くならない!ということを繰り返し、ヒーローは子作りもできない自分は結婚する資格がないと彼女を突き放す。怪我で人生を失ったヒーローの孤独が胸を打つ・・と言いたいところだけど、この作者はキャラクターの書き方が表面的でいまひとつ説得力に欠ける気がする。

 ヒーローが不能というのはロマンス小説では珍しいので、そんな彼がヒロインの魅力によって奇跡的に回復するというのがこの作品の読みどころなんだと思う。拒絶されても彼のことを愛しているヒロインが、自分の愛を示すためにプロに誘惑の手管を学んでナニを堅くさせるために頑張る(?)ところがストーリーの山場なんだろうけど、頑張りどころはそこかい!と思わず突っ込んでしまったよ。

 途中から飛ばし読みになってしまいさっさと読了したので、細かいところで理解の及んでいない部分があったらすみません。たぶん私のような皮肉屋ではなく素直な人が読んだら、気の毒なヒーローが奇跡の回復を遂げ幸せを掴む感動的なストーリーなんだと思います。 

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