ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

妻に恋した放蕩伯爵 キャリー・ハットン

 親に決められた結婚に反発し、ベロベロに酔っぱらった状態で結婚式に現れて、花嫁の顔もろくに見ずに式を挙げた後、新妻を田舎の屋敷に残してロンドンにとんぼ返りしたヒーローは、社交界の催しで出会った美しい令嬢が自分の妻だと気付かずに恋してしまう。ツッコミどころはあるけれど着想は面白いと思う。軽く読めるドタバタコメディ系のロマンス。間抜けなヒーローが何とか名誉挽回してヒロインの愛を勝ち取ろうと奮闘するお話。

 マグノリアロマンスが出したこの作者の「氷の女王の誘惑」は以前読んだけど、印象の薄い作品でいまひとつだったので、比べると今作のほうが良いと思う。そこそこ面白かったけど、ヒーローはいつヒロインが妻だと気付くのだろうと、その瞬間を楽しみに読んでいたのに、意外とあっさり気付いてそこまでの衝撃はなかったし、ヒロインがもっとヒーローをギャフンと言わせてくれたらスッキリしたのに、何だかなし崩し的に結ばれてしまって少し物足りない気はする。設定は面白いのに活かし切れていないのが惜しい。悪くはないけどあと一歩という印象。

 この原書は一応カテゴリーロマンスに分類される作品なので、短くまとまっていてロマンスに焦点を絞ったストーリーだから、プロットも単純でサクサク読めるぶん、あまり深みはないかも。Entangledという比較的新しいロマンス専門のハーレクインみたいな出版社が出しているもので、一時期マグノリアロマンスが、この出版社のヒストリカルをよく出していた。この作品はEntangledのヒストリカルの中では結構売れたヒット作みたい。

 

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 割とどうでも良い話ですが・・。訳者さんがあとがきでこの作者はUSAトゥデイのベストセラーリストの常連だと書いていたけど、この作者がリストに載ったことがあるのはこの1作だけじゃないかな。そこまで売れてる作家じゃないと思う。USAトゥデイは毎週売上の上位150位までをリストにしていて、そのリストに一度でも載ったことがあれば、毎回本の表紙にUSA Today Bestselling authorと書いて宣伝できるわけで。ちなみにNYタイムズのベストセラーは毎週15位までのリストだから、そちらに載るほうがはるかに難しく、NYタイムズのリストに入ったら本物のベストセラー作家だと思う。(USA Todayでも上位に入ればすごいけど。)ヒストリカル・ロマンスでもリサ・クレイパスとかジュリア・クインくらいの大物だとNew York Times Bestselling authorと書いてある。細かいことだけどUSA TodayとNY Timesの違いは大きくて、表紙に小さく書いてある宣伝文句で作家の売れてる度合いがわかる。またマニアックな話になってしまったけど、原書に興味のある人には意外と役立つ豆知識かもしれない・・。

 

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