こんな古い小説をなぜ今頃になって読んだのかと言うと、Goodreadsの中の人が作ったらしきTop 100 Romance Novelsというリストの先頭にZaneという作家の"addicted"というタイトルがあり、興味を引かれて調べてみたら、ヴィレッジブックスが2005年に翻訳を出していたので、物は試しに読んでみようかなと。でもこのリスト、よく見るとタイトルのアルファベット順に並んでいるから、別にこの作品が一番人気というわけではないのよね。結構ツッコミどころのあるリストだけど、日本でも人気のある作家がたくさん並んでいて、見てると面白い。
この「愛だけじゃたりない」は、アフリカ系アメリカ人で既婚女性のヒロインが、精神科医に自分のセックス依存症を告白するところから始まる異色のストーリー。ヒロインは夫を愛しているのに彼との行為では満足できず、愛人が3人もいるという。一体この話にどうオチをつけるんだろうと、結末が気になったので最後まで読んだけど、終盤は突拍子もない展開が続き、ヒロインが依存症になった驚きの理由が明らかになったと思ったら、いきなりサスペンス調になったり、ストーリーがそういう方向に行くとは思っていなかったので呆気にとられてしまった。特別面白いわけではないけど、少なくとも退屈はしなかった。
この原書は1998年刊行なので、当時はこの内容が衝撃的だったのかもしれないけれど、今読むとたいしたことなく、Top 100 romance novelsに入っているのが謎だわ。ヒロインがアフリカ系のロマンス小説って少ないから、その部門のヒット作なのかもね。
- 作者:ゼイン
- メディア: 文庫
(追記)
これ映画化されてたのか!知らなかった。こんなキワモノ的な小説を映画化するなんてビックリだわ。