この作者はそれほど売れてる作家でもなさそうだから、あまり期待せずに読んだけど、それにしても・・これはかなり残念な作品だと思う。
まず、何だか文章が読み辛い。詩のような文体を目指しているのか、ひとつひとつの文が短めで、凝った言いまわしをしているせいで、読んでいて内容がスッと頭に入ってこない。詩的な表現もいいけど、リーダビリティが低くては駄目だと思うわ。内容的には普通のサイコスリラーで、ロマンスは薄目、特に目新しいところはないけど、上手く書けばそこそこ面白いロマサスになりそうなストーリーだった。ヒロインは酷い目に遭って気の毒だけど、独特な文章のせいか、いまひとつ気持ちがストレートに伝わってこなくて共感しづらかった。あくまで個人の意見だけど、それほど上手い作家とは思えず、あまり面白くなかった。(でも原書のレビューを見ると、文章が素晴らしいと言う意見もあったので、もしかしたら日本語になった時にその素晴らしさが失われてしまったのだろうか・・。)
- 作者:ウルフ,トリシャ
- 発売日: 2019/12/19
- メディア: 文庫
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余談ですが、以前別の記事でベストセラーリストについて書いたけど、この作者はあまり売れてるとは思えないのに、原書の表紙にUSA Today Bestselling Authorと書いてあって、本当かな??と思ったら、この作者が作品を提供したアンソロジーが1冊ベストセラーになっていた。これが出版業界のカラクリなのね・・。でもアンソロジーが売れただけでベストセラー作家の看板を掲げるのは反則という気がするけど。他の作家の人気に乗っかっただけじゃん・・。