ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

エレナーとパーク レインボー・ローウェル

 レインボー・ローウェルは最近大注目のYA作家で、代表作の"エレナーとパーク"は高い評価を得てたくさんの賞を受賞している。ヤングアダルトのロマンスだけど1980年代が舞台になっていて、オジサンオバサンが読むと懐かしい気分になれるかも。

 エレナーはちょっと太めの赤毛の女の子。母親の再婚相手がDV男で、狭い家で貧乏暮らしという不幸な家庭環境。パークは白人と韓国人のハーフでオタク系の男の子。転校生のエレナーがスクールバスに乗り込んで来た時、みんなが意地悪して彼女を座らせまいとするのを見たパークは、自分の隣の席に彼女を座らせてあげる。それがきっかけで少しづつ仲良くなっていく二人の初恋の物語。太っていて髪はもじゃもじゃで変わり者のエレナーは、学校ではいじめられ家では継父に怯える毎日で、何とか耐えながら日々をやりすごしている。アジア系で背が低くてオタクのパークは学校では人気者とは言えず地味な存在。両親の揃った中流家庭で安定した生活を送っているけど、軍人の父親に男らしくないと思われていることを悩んでいる。

 ヤングアダルトのロマンスというと、ちょっと影のあるハンサムな男子に、やたらとモテる女子というのが相場だけど、この作者は美男美女とは程遠いカップルを主役に素敵なロマンスを書いている。2人の心の動きを丁寧に描写していて、少しづつお互いに心を開いていき、友達になって、やがて恋心が芽生えていくという、ゆっくり進行する初々しい恋が良かった。パークはモテるタイプではないけれど、すごく優しくて繊細で、家庭の問題を抱えているエレナーを気遣うところが素敵だった。苦悩を抱える若者のロマンスがいかにも青春ものという感じで切ない。レトロな雰囲気の甘酸っぱい初恋の物語は大人が読んでも面白いと思う。

エレナーとパーク Eleanor&Park

エレナーとパーク Eleanor&Park

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