ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

午前零時の公爵夫人 ロレイン・ヒース

 Sins for All Seasons シリーズ4作目。ロレイン・ヒースは大好きな作家だけど、本作はこのシリーズの中ではお気に入り度は低めかな。前作がかなりの感動作だったので、それに比べるとちょっと共感レベルが低いかも。というのも、ヒロインがやろうとしていることはいくら妹達のためとは言え、正しいこととは思えないので、ストーリーの根本的なところで説得力が弱い気がする。

 ヒロインは夫を亡くしたばかりの未亡人。公爵の夫が世継ぎを残さないまま病気で亡くなり、後継者がいないためこのままでは爵位や領地を女王に返還しなければならないけれど、そうなるとわずかな財産しか残らず、彼女を頼っている妹たちが生活に困ってしまう。今すぐ誰かと関係を持って妊娠し、夫の子供だと偽れば、領地を没収されずにすむと兄に言われ、以前見かけた時から魅力的な人だと思っていたヒーローに狙いを定め、彼の経営する賭博場へ出向くヒロイン。

 ヒーローは素敵なのよねぇ。口説き文句もすごくロマンティックだし、ヒロインにぞっこんで、自分の主義を曲げてでも彼女に尽くそうとする優しさが素晴らしい。それだけにヒロインが彼にしようとしていることがいっそう残酷に感じる。まあ彼女のほうもかなり悩んではいるのだけれど・・。ロマンス小説なので最終的に2人がくっつくのはわかっているけれど、この状況をどうやって打開するのだろうと興味津々で読んでいたら、何だか意外とあっさりハッピーエンド。やはり愛は全てに勝るということなんだろうけれど、思った以上に色んなことが簡単にうまくいってしまった感がある。ロレイン・ヒースだから期待値が高かったぶん、やや拍子抜け。できればもう一捻りあると良かったかも。

 この作者比では感動の度合いが低めで、ストーリーの練り方が不足気味な感じはするけど、キャラクターの魅力だけでも読み切れるだけの面白さはある。ヒーローの華麗な口説き文句を読んでいるだけでも楽しいし、ヒロインが"妊娠しなくちゃ!"と必死だから、貴族の女性らしからぬ積極性で彼に迫るところも面白い。庶子を作りまくって捨てていたヒーローの父親もついに報いを受けて溜飲が下がった。次作も楽しみにしてます!

 ついでに以前記事にした、この作者の作品一覧を更新しました。過去作で未訳のも出してほしいなあ・・。

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