ロマンス小説感想日記

ロマンス小説感想日記

romance & mystery book review

秘密 ケイト・モートン

 翻訳ミステリー大賞を受賞し、各種のランキングでも上位に入った話題作を遅ればせながら読んでみた。

 ミステリーの要素はあるけど、ヒストリカル・フィクションに分類される作品で、友情、ロマンス、家族愛を描いた人間ドラマに謎解きがプラスされた内容。ヒロインの母親が若かりし頃の1941年、ヒロインが子供の頃の1961年、そして2011年の3つの時間軸でストーリーが展開していく。

 ヒロインは幼い頃、見知らぬ男が母親のところへやってきて、怯えた母がその男を刺し殺すのを見てしまった。母親は正当防衛ということになったけれど、疑問は残り、事件のことをずっと忘れられずにいた。大人になって女優になったヒロインは、病気で余命わずかとなった母の過去の秘密を解き明かそうと決心する。

 確かに良く出来たストーリーで、真相に驚かされ、カタルシスを得られる結末が見事で読後感も良い。"秘密"が重要なテーマなので、ネタバレしないよう詳しい内容は省きますが、3つの時代を並行して書きながら少しずつ過去の事実が明らかになっていく展開が上手い。高く評価されているのも納得だけど、一応ミステリーとは言え内容は文芸小説寄りなので、途中、細かい描写が少々まどろっこしく感じる部分もあった。ストーリーは面白いのだけれど、結末に辿り着くまでが長く感じた。それでも読む価値のある作品だということは確かで、ロマンス好きの女性の読者が気に入りそうな内容だと思う。

秘密〈上〉 (創元推理文庫)

秘密〈上〉 (創元推理文庫)

秘密〈下〉 (創元推理文庫)

秘密〈下〉 (創元推理文庫)

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