ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

愛しているが言えなくて リンゼイ・サンズ

 リンゼイ・サンズは根強い人気があるのか、ロマンス小説の出版が縮小される傾向にあっても順調に新作が刊行されているわね。毎回同じようなストーリーとキャラクターでワンパターンだけど、安定した面白さで安心して読める作家だと思う。こういう笑いに特化したロマンスを書く作家ってあまりいないし、翻訳ものだとユーモア感覚が日本人とずれててイマイチ笑えないこともあるけど、この作者のユーモアは日本人の感性に合っていて素直に笑えるところが良いと思う。

 これは比較的初期の作品で、この作者の基本形という感じのハイランダーもの。ちょっと太めだけど可愛くて優しいヒロインと、無口だけど思いやりのある誠実なヒーローは、どちらもあまり癖のないキャラクターで、キャラ立ちという点では最近の作品と比べると若干弱い気がするけど、癖がないぶん読みやすいと思う。それぞれの親も良い人達で、家族関係もほのぼのしていて心温まるストーリーだった。太っていることを気にしているヒロインが痩せて見えるようにする涙ぐましい努力が傍から見ると珍妙で笑える。時代考証とかは割と適当で、史実を盛り込んだりすることもない軽い作風だけど、この作者に重厚さは求めていないので、ずっとこのマンガちっくな路線で頑張ってほしい。最近は、ヒストリカルハイランダーのシリーズをずっと書いてるみたいだけど、昔読んだ「いつもふたりきりで」が面白かったので、またリージェンシーも書いてほしいな。

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