久しぶりにハーレクインを読んでみたら面白かった。3話収録されている分厚いバレンタインの企画ものの中の1編で、他の2話は短編だけど、この「花嫁は家政婦」だけ長くて170頁くらいあった。読んでる人少なそう(?)だけど割とおすすめだと思ったので記事にしておこう。
ヒロインは東欧からの移民でヒーローの家で家政婦をしているけれど、永住権がなく居住の期限が切れて、このままでは祖国へ帰されてしまう。そこで彼女がグリーンカードを取得できるようにヒーローが期限付きの結婚を申し出て・・・というストーリー。ハーレクインで東欧移民のヒロインというのは珍しいのでは??E・L・ジェイムズの「ミスター」に設定がちょっと似てると思った。
ヒーローはお気楽な金持ちのプレイボーイだけど優しくて良い人。ヒロインは祖国で過酷な経験をしてアメリカにやってきた苦労人で、重い過去を背負っていてなかなかドラマティックなキャラクター。ヒロインの意外な秘密が明らかになったりして、この手の小説にしては捻りが効いてて良かった。(いかにもハーレクインっぽい展開ではあったけど。)辛い試練に耐えてきたヒロインを優しく包み込むヒーローが素敵で、グリーンカードのための結婚から愛が芽生えていくのがロマンティックだった。ハーレクインだから軽めの内容で短い尺にまとめているけど、これを長編にしたら面白いんじゃないかと思う。脇役でヒーローの一族がいっぱい出てくるのでシリーズものかと思い、調べてみたら関連作が60冊近くある長いシリーズだった。クリスティン・リマーは初めて読んだけどこれは良い拾い物だったわ。
- 作者:クリスティン・リマー ジェイン・ポーター レベッカ・ウインターズ
- 発売日: 2015/01/14
- メディア: 新書
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私の場合、文庫の長編を読んで気に入った作家の過去のハーレクイン作品を読むというパターンが多いので、ハーレクイン専業の作家はあまり読んでないのよね。上手い作家は最初はハーレクインを書いていても長編作品にシフトしていくわよね。
6月に翻訳が発売予定のロビン・カーもハーレクインから始めて長編で成功した作家の1人で、翻訳が出るのはドラマ化のお陰だろうけど、ブリジャートンシリーズほど話題性のあるドラマではないと思うので、原作小説がどこまで売れるかな??たぶんスーザン・ウィッグスみたいなハートウォーミング系だよね。個人的にはこういうWomen's Fictionみたいな小説ってそれほど好きじゃないんだけど・・。最近はNETFLIXのドラマの原作小説がよく刊行されてる気がする。サラ・ピンバラの「瞳の奥に」は面白かったのでああいうサスペンス系のを読みたいな。
ロビン・カーと同じ系統の作家では、シェリル・ウッズもアメリカでかなり売れていて、Sweet MagnoliasとChesapeake Shoresの2つのシリーズがドラマ化されている。もしロビン・カーが売れたらシェリル・ウッズも翻訳が出るかもね。この作者はハーレクインが過去にたくさん翻訳されている。2作もドラマ化された人気のある作家なら初期のハーレクインも面白いのかな?