ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

この恋が偽りでも シャノン・マッケナ

 これは文庫で刊行されたけど、原書はハーレクイン・ディザイアで、S・マッケナのように既に知名度のある作家が今更ハーレクインを書くなんてちょっとビックリ。

 ヒーローは建築会社のCEOだけど、罠にはめられてひどいスキャンダルに巻き込まれ、このままではCEOを辞任させられてしまう。それで、妹の提案できちんとした女性との婚約を発表しプレイボーイのイメージを払拭して名誉回復をはかることに。ハーレクインにありがちな偽りの婚約ものだけど、上手い作家が書くと違うわ。ヒロインはヒーローの妹の友人で、義手の開発をしている化学者。腕を無くして苦しんでいる人のために、神経に接続して自分の腕のように動かせる最先端の義手の制作に取り組んでいる。ハーレクインでここまでしっかりキャラクターを作りこんでる作品は少ないと思う。義手の治験者で、骨肉腫で腕を失った少年や元軍人の男性とか、脇役までキャラが立ってる。建築家で超ハンサムなヒーローは、この作者にしては上品な感じだけど、男っぽい魅力を発散しているところはいつもどおりで、ヒロインがメロメロになってしまうのも納得。彼に笑顔を向けられただけでぼ~っとしてしまうヒロインが可愛いかった。頁数が少ないからプロット自体はたいしたことないけど、キャラクターが活き活きしていて魅力的でとても良かった。上手い作家が書くとハーレクインもここまで面白くできるのね。

 これは原書が今年の3月に出たばかりなのにもう翻訳を出してくれて有難いわ。シリーズの2作目の原書が今月出るみたいなので、続きも出してほしいなあ。

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