ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

黄金の檻 カミラ・レックバリ

 夫に裏切られた妻の壮大な復讐劇。面白くて一気読みだった。ヒロインが巧妙な策略でゲス夫を破滅に追いやるストーリーは、女性ならきっと胸がすくこと間違いなし!C・レックバリがこういう復讐ものを書くなんて意外だったけど、後ろ暗い過去のある謎めいたヒロインに良い意味で期待を裏切られた。

 大富豪の夫と可愛い娘とともに裕福な生活を送るヒロインは皆の羨望の的だったけれど、実は支配欲の強い夫に虐げられていて、若い浮気相手に走った夫から一方的に離婚を言い渡される。彼が起業する際にアイディアを出したのはヒロインで、起業資金を稼ぐために大学を辞めて働き彼に尽くしたというのに、手柄は彼のものとされ、結婚後も資産はすべて夫名義になっていて、財産分与もなく放り出された彼女は復讐を心に誓う。元々賢くて大学でも彼より優秀だったヒロインが、夫の会社の乗っ取りを企てじわじわと追いつめていくのにワクワクさせられた。このドロドロ感がたまらない。愛憎渦巻く復讐劇の合間には心温まるエピソードもあって、彼女と大学時代からの親友との女同志の友情にはジーンとさせられた。グイグイ読ませるスピード感のある展開で、ヒロインが離婚後、トントン拍子に成功を収めるのがちょっと都合良すぎだったり、無駄に卑猥なシーンが多かったりするけど、そういうB級サスペンスみたいなところもひっくるめて面白かった。

 北欧ミステリーなのに英語の翻訳者らしき人が訳してることが読む前から気になってたんだけど、あとがきによると、やはりこれは英語版を元に訳したらしい。(それだと翻訳の翻訳ってことだから邪道だよね・・。)そのせいなのかわからないけど、なんとなくアメリカナイズされた北欧ミステリーという感じがしたのは私の気のせいかしら。内容的に、あまりスウェーデンっぽくないドメスティックスリラーなのでそう思えたのかもしれないけど・・。文章が読みやすかったのは良かった。昔この作者の「氷姫」を読んだ時は文章が読みにくくて閉口したのよね。内容は良かったんだけど。

 ヒロインの大胆な復讐劇が爽快なサスペンスで女性にお勧め。ロマサス好きな方は是非どうぞ。

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