ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

危険な愛にほだされて エリザベス・ホイト

 Greycourtシリーズの2作目がやっと出た!前作から2年も経っているから内容を忘れかけていたわ。でも原書の刊行も2年くらい空いているから翻訳が出るのが遅かったわけではないのね。それにしても、まさかヒロインが尿瓶に用を足しているところから始まるとは思わなかったので初っ端から驚かされたわ。馬車の中で用を足しているときに辻強盗に襲われるって面白すぎる。やはりエリザベス・ホイトは一味違うな。

 ヒロインは残忍な叔父の公爵に彼の部下として働いている貧民街出身の野蛮な男性との結婚を強要される。自分がしなければ妹が結婚させられてしまうので、妹を守るために仕方なく承諾する。ヒーローは貧民街の暮らしから抜け出すため公爵の汚れ仕事を引き受けていたけれど、そんな仕事に嫌気がさして辞めようとしたところ、仕事をしてくれたら姪と結婚させてやると言われ、彼女のことを密かに想っていた彼は断り切れずに引き受ける。無理やり結婚させられて最初は抵抗していたヒロインだけど、夫のことを知るにつれ惹かれていく。

 強制された結婚から愛が芽生えるというのはヒストリカル・ロマンスではよくあるパターンで、いつも捻ったストーリーを書くE・ホイトにしてはどちらかというとオーソドックスなロマンスだったけど、2人の間の緊張感や、惹かれあう気持ちを丁寧に描いていて良かったと思う。ヒロインは妹思いの優しい女性で、好きになったら割とストレートに気持ちを表す素直なタイプで好感度高いと思う。ヒーローは貧民街からのし上がった荒っぽくてちょっと危険な男性で、不幸な境遇で影のあるところが女心をくすぐるタイプ。でもこの作者のこれまでの作品の中にはもっと冷酷で危険なヒーローもいたので、比べるとこのヒーローは割と優しいし、危険度は中レベル(?)くらいかな。

 ストーリーも面白かったけど、前作のヒロインが所属していた女性だけの秘密結社「ワイズ・ウーマン」のコンセプトが興味深いと思っていたので、本作ではその組織が閉鎖されたことになっていたのがちょっと残念だった。この秘密結社はこのままフェードアウトしてしまうのかな?シリーズはまだ続くのでそのうちまた復活しそうな気もするけど。次作はまだ原書も出ていないけれど、どうやら本作のヒロインの兄ジュリアンと1作目のヒロインの妹のエルスペスのロマンスらしく、2人ともかなり個性的なキャラクターなので面白そう。 

 

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