ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

野獣と呼ばれた公爵の花嫁 アマリー・ハワード

 この作者は元々ヤングアダルト向けのファンタジーを書いていて、他の作家と共著でヒストリカルロマンスを何作か出した後、単独で書いたこの作品で人気が出たようで、そこそこキャリアのある作家らしい。読んでみると確かに新人作家のような粗さはなくこなれている感じがした。内容的にはいかにも最近の作家が書いた今風のヒストリカルで、賢くてしっかり者の美しいヒロインが、顔にひどい傷があり野獣と呼ばれているヒーローを手なずけるストーリー。やけに現代的なヒロインはベッドでも積極的で、ヒーローを懐柔するのに自分から誘惑を仕掛けたりしていた。

 「美女と野獣」をモチーフにしたロマンスは多いけど、これは自立したヒロインが自ら行動を起こし、自分の手で幸せを掴む現代版ヒストリカル(?)として良く出来ていると思う。ただHotなシーンが多いぶん、心の機微が繊細に描かれていたりはせず、結婚してからの2人はイチャイチャして仲良くなったと思ったら葛藤して突き放すということの繰り返しで、あまり深みは感じられなかった。まあヒーローも戦争でひどい傷を負っている割にはそこまで暗くないし、重厚な感動ものではなく、楽しく読める現代風のHotなヒストリカルとしてはそこそこ面白い作品だと思う。これはEverleigh Sistersシリーズということで、次作は可憐で純粋なタイプかと思いきや意外としっかり者だった妹が主役で、本作でも姉の助けを借りずに自分で相手を見つけて電撃結婚していて興味深いキャラクターだったけど翻訳は出るのかな?

 宣伝文句にあったけど、この作品はオプラマガジンの"24 Best Historical Romance Novels to Read”に選ばれたらしい。(オプラマガジンて40~50代のオバチャン向けの女性誌だけど・・。)ブリジャートン・シリーズがドラマ化で話題になった後、「ブリジャートンの次はこれだ!」みたいなヒストリカルロマンスを特集した記事をいくつも見たけど、アマリー・ハワードはそういう特集にはたいてい取り上げられていたので割と人気作家なんだと思う。Amazon.comの記事Goodreadsの記事はなるほどと思ったけど、Entertainment weeklyの記事とかは微妙だったな。そういう特集でも最近は普通にゲイやレズビアンのロマンスが取り上げられていて、ヒストリカルロマンスにもLGBTQの波が押し寄せてきてるんだなと思った。Cat SebastianやOlivia Waiteはかなり人気があるみたいだし、そのうち翻訳が出たりするかも?!

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