ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

白雪姫には死んでもらう ネレ・ノイハウス

 タイトルのインパクトがすごい。ほぼ原題の直訳だけどかなり目を引くタイトルでつい読んでみたくなるわよね。ドイツの女性作家が書いたミステリーで、これはシリーズの4作目だけど、順番は気にしないことにして読んでみた。

 刑事のオリヴァーとピアのコンビが活躍するシリーズだそうで、本作ではドイツの田舎の小さな村で起きた殺人事件を捜査している。罠に嵌められ殺人の罪を着せられて10年間も服役した青年が出所するところから始まり、過去の事件の真相を暴いていくストーリー。普通こういうミステリーではやけに勘の冴えた刑事が鋭い推理で真犯人を暴くものだけど、この作品に出てくる刑事は何だかヘッポコで頼りなく、なかなか真相に気づかない。ピアはまだそれなりに有能だけど、オリヴァーはダメダメで、私生活で奥さんの浮気を疑ってアタフタしていたり、気の毒ではあるけど、そんなことよりちゃんと捜査に集中しろと叱りつけたくなる。

 事件の顛末はとても興味深く、小さな村特有の隠蔽体質が本当に恐ろしくてゾッとさせられた。冤罪で人生を台無しにされた青年が気の毒すぎて、誰か早く真相を暴いてあげて!!と願いながら読んでいた。物騒なタイトルどおりの残虐な事件で、過去のおぞましい事実がだんだん明らかになっていき、人間がここまで残酷になれるということに衝撃を受けた。最後まで気の抜けない展開で、まさに手に汗握るストーリーだった。

 シリーズを最初から読んでいないせいか、オリヴァーとピアの魅力については今一つわからなくて、彼らの私生活の部分は蛇足のように思えてしまった。やはり1作目から順番に読むべきだったかな。最初から最後まで冤罪の青年に肩入れして読んでいたので、警察のダメっぷりにイラついたけど、事件そのものはとても面白く、どいつもこいつも怪しくて謎解きも非常に良く出来ていると思う。人気作家なのも納得。

日本語版は3→4→1→2→5→6・・・という順番で刊行されたみたいだけど、英語版は4→6→3→7の順で4冊出ているみたい。

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