ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

つけ狙う者 ラーシュ・ケプレル

 このシリーズの1作目「催眠」を読んで、2~4は抜かしてこの5作目を読んだところ、当然ながらだいぶ話が飛んでいた。主役のヨーナ・リンナ警部が死んだことになっていて驚いたけど、ちゃんと生きてて良かった。1作目で活躍していた医師のエリックが再登場して、また主役級の扱いで事件に関わっている。彼は結局奥さんと離婚したようで、また睡眠薬に頼るようになっていてヘタレ度が増している気がしたけど、本作では事件に巻き込まれてとんでもない目に遭い、どんどん追い詰められていくのにハラハラさせられた。

 事件は相変わらず残虐で、刃物で顔をメッタ刺しにするシリアルキラーなんて、ほとんどスプラッター・ホラーだけど、真犯人に辿り着くまでが興味深く、よく練られたストーリーでとても面白かった。意外な人物が犯人で驚かされたし、終盤の犯人との決死の格闘もスリル満点で最後まで気の抜けない展開だった。孤立無援のエリックが絶体絶命に陥ってどうなることやらと思ったけど、リンナ警部が彼を助けるために奔走するのが良かった。

 エログロきつめのストーリー(乱交パーティーとか出てくるし・・)だけど、スティーグ・ラーソン後のスウェーデンミステリー界で一番人気(多分)の作家だけあって、まさにページターナーで読み始めたら止まらない。北欧ミステリーで同じくらい人気のある「特捜部Q」よりこのシリーズのほうが面白いと思う。

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