ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

砂男 ラーシュ・ケプレル

 このシリーズにすっかりハマってしまったので、電子書籍を購入して4作目も読んでみた。(ちなみにシルバーウィークでSONY Reader Storeやhonto等、いくつかの電子書籍ストアで扶桑社BOOKSのミステリーやロマンスの少し前のタイトルが40%オフのセールになってました。)私は読む順番が前後してしまったけれど、4作目と5作目は内容的に割と関連が深いので順番通り読むのがおすすめ。

 これも面白くて一気読みだった。本作では何と言っても危険な潜入捜査に挑む女刑事のサーガの活躍が際立っていたと思う。精神病院の凶悪犯専用の隔離病棟に収監されている犯人から情報を得るため、患者として病院に潜入するのだけれど、病院のスタッフは誰も潜入捜査のことを知らないので、危険な殺人犯として扱われ誰の助けも得られない状況で情報を探らなくてはいけない。こんな恐ろしい任務に志願するなんてアッパレとしか言いようがないわ。(まあ最初は断ったけど、ボーイフレンドに捨てられた反動でヤケになって引き受けたっぽい。)絶世の美女だけど、ブロンドのロングヘアをバッサリ刈ってスキンヘッドにするとか気合の入れ方が半端ない。危険な任務で一瞬も気が抜けず、読んでいてハラハラしどおしだった。病棟では変態精神科医にヤバい薬を注射され、夜中に部屋に忍び込まれてレイプされそうになったりして怖すぎる。そんな状況でも何とか犯人から情報を引き出すんだからサーガ恐るべし。

 残酷な誘拐事件で、移民政策がらみでロシアにまで話が及ぶ壮大な事件だったけど、大きく広げた風呂敷を最後にはきちんと畳んで、犯人の動機まで全て得のいくストーリーになっていたし、「砂男」の不気味な伝説が事件とマッチしているのも上手い。ヨーナ・リンナ警部は気の毒な身の上が明らかになり、因縁のある犯人との対決がドラマティックだった。個人的には女刑事のサーガが気に入ったので、今後また彼女の活躍が見られるといいな。

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