ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

ブルックリンの少女 ギヨーム・ミュッソ

 ギヨーム・ミュッソはフランスのベストセラー作家で、昔は純文学寄りの少しパラノーマル入ったラブストーリーを書いていたらしいけど、だんだん作風が変わって今はミステリーを書いている。これは数年前の作品だけど、意外な展開に驚かされる捻りのきいたサスペンスで面白かった。

 主人公は作家でシングルファーザーのラファエル。恋人のアンナが失踪し、友人の元刑事とともに彼女を捜すうちに意外な事実が明らかになってくる。事件はフランスだけにとどまらず、ラファエルはパリからニューヨークへ飛ぶことに。アメリカの大統領選も絡むスケールの大きなサスペンスで、あまりフランスっぽくなくアメリカの小説みたいだった。アンナの失踪の謎に関しては、ラファエルがNYに着いた時に大統領選間近だったことで何となく察しがついたけど、少しずつ謎が解き明かされていく展開が上手く、緊張感のあるサスペンスで最後までテンポ良く読めた。おぞましい事件だけど残酷な描写はあまりなく、ラファエルが子守りをしている心温まる場面なんかもあり、女性読者受けを狙ってるのかなと思った。個人的には乳児の世話をしながら事件を捜査するのは無理があると思うのでこのイクメン設定はなくていいと思うけど、どうやら作者本人に小さい子供がいるらしく、あとがきによれば子供ができて世界が変わったとか言っているそうで、主人公に父親としての自分を投影しているのかもね。最後の最後にさらなるどんでん返しがあってビックリしたけど、ちょっとやりすぎな気もした。

 昔ラブストーリーを書いていたくらいだから、ミステリーだけどストーリーに深みがありキャラクターの描写も繊細で上手い作家だと思う。

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