ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

パワー・オブ・ザ・ドッグ トーマス・サヴェージ

 ベネディクト・カンバーバッチ主演で映画化とのことで、「アメリカ社会のタブー、飲酒・人種差別・同性愛に斬り込み、世界の絶賛を得た幻の名作」だと言うからよほど凄い話なのかと思い読んでみた。

 これって1967年に書かれたかなり古い小説なのね。350頁くらい(活字は小さ目)でそれほど長くはないのだけれど、最近の説明過剰気味な小説と違ってある程度行間を読む必要があるので頁数以上の内容があったと思う。主人公のフィルはカウボーイで、頭脳明晰で何でも出来る天才だけど内に抑圧されたものを抱えている複雑なキャラクター。弟思いの兄だけど、人を威圧しじわじわと追い詰めるサイコパスっぽいところもあり怖い。B・カンバーバッチは特別好きじゃないけど、フィル役にはピッタリだと思うわ。フィルは弟のジョージと二人で牧場を経営していたけれど、ジョージが突然子持ちの未亡人と結婚したことで2人の間に亀裂が入り・・・というストーリー。結末がかなりショッキングで唖然とした。

 こういう古い作品は小説を読むより映像化されたものを見たほうがわかりやすいかもしれないな。確かに飲酒や人種差別、同性愛等のタブーを扱っているけれど、声高に訴えるのではなく、フィルの視点を通してさりげなく描写されている感じだった。

 内容とは関係ないけど気になることがあって、私が読んだのは8月末に角川文庫から刊行されたものだけど、同じタイトルが来月早川書房からも発売予定なのよね。(しかもボッタクリ価格の単行本!)翻訳者は違う人みたいだけど同じ小説をそれほど間もあけずに別の出版社が発売するのって珍しいよね?版権とかはどうなってるんだろ。

↓こちらは11/4発売予定 

 

映画はNetflixで12月に配信予定 

パワー・オブ・ザ・ドッグ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

 

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