ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

ブルー・ホテル チェリー・ピックフォード

 これは1994年(古っ!)に二見書房が発売したエロティック・ロマンス。ちょっと前に読んだけど、すごく古い本だし、こんな感想需要あるかな??と思って書きかけで放置してたのを一応記事にしてみました。当時イギリスでBlack Laceという女性向けの官能小説のレーベルが創刊されて、色んな国で翻訳が発売されたりして人気があったらしい。それを二見書房がいち早く日本に紹介したという。当時2冊だけ刊行したみたいだけど、その後、光文社がVコレクションというレーベルで結構たくさん出している。光文社のは以前エマ・ホリーだけ読んだな。

 「ブルー・ホテル」は、何ていうかハーレクインの官能マシマシバージョンみたいなものかと。ヒロインはアラサーの作家で、執筆のためにホテルに宿泊し、経営者の男性を誘惑する。以下、ネタバレになるけど古い本だしまあいいか。とにかく設定がぶっ飛んでいて、ヒロインは30過ぎなのにヴァージンで、何故かというと元尼さん(!)だから。それなのに妙に男性の誘惑の仕方に詳しいのは、教会が保護した娼婦たちに色々教えてもらったからだそう。ずっと経験がなかったので性的なことに興味津々で、隣の部屋に泊まっている新婚夫婦の営みを覗き見したり、かなり変態っぽい。途中でサスペンスっぽくなったり、なんだかよくわからない話だった。色々と際どいことはしたけど、最終的にホテル経営者の男性にヴァージンを捧げて両想いになりハッピーエンド。面白いかと言われると正直微妙だけど、トンデモ設定でインパクトはあった。

 そういうわけで、昔の女性向け官能小説はやはりちょっとレベルが低いかなと。Black Laceはプロの作家だけでなく、アマチュア作家が応募した作品も刊行していたそうなのでまあこんなもんでしょう。(訳者さんの意見は違うようで、あとがきを抜粋すると、「エロティックなエピソードは鮮烈な魅力にあふれ、その表現は濃密で扇情的でありながら、少しも下品ではない。文章も軽快で、ある種のリズム感があり、文学的にもレベルが高い」そうです。)

 それから時代が流れ、「フィフティ・シェイズ」が大ヒットして、その後のエロティック・ロマンスのブームで翻訳された作品はストーリーも随分洗練されて、普通に読み物として面白いのが多かった。集英社クリエイティブのベルベット文庫から出ていたのをいくつか読んだけど、どれも割と良かったと思う。エロティック・ロマンスも進化してるよねぇ。

Mの鍵 (BLACK LACEシリーズ) ←同じシリーズでもう一冊出てます。

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