ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

その女アレックス ピエール・ルメートル

 これは5年くらい前に色んなミステリーのランキングで1位になっていた有名な作品だから読んでる人も多いと思う。以前はフランス人作家にちょと苦手意識があったので、読もうと思いながらもずっと積んだままになっていた。やっと読んでみたら・・・何これ面白い!評判どおりのすごいミステリーだわ。

 若い女性が誘拐される事件が起き、犯人は彼女を小さな檻に入れて監禁する。最初はよくある拉致、監禁ものだと思って読んでいたけど、それは始まりにすぎず、すごい展開が待っていた!監禁方法もかなりおぞましかったけど、その後に起きる事件の殺害方法がさらにグロくてほとんどホラー。それでもストーリーが抜群に面白いので一気に読んでしまった。

 キャラクターもみんな個性的で良かった。パリ警察のカミーユ・ヴェルーヴェン警部が活躍するシリーズだけど、その警部が何と身長145cmの超ミクロ系(?)でビックリ。ヘビースモーカーでニコチン中毒の母親のせいで胎児の時に栄養不良だったため、低身長になってしまったらしい。男でその身長だと相当なコンプレックスだよね・・・。そんな気の毒な警部には愛する奥さんを誘拐事件で亡くした過去があり、苦しみながらも仕事に打ち込んでいるところが素敵だった。部下の2人の刑事も面白いキャラクターで、一人は大金持ちの名門一族の出身で、働かなくてもいいくらい超リッチなのになぜか刑事をしているルイ。もう一人は超ドケチで外食するのはおごってもらえる時だけというアルマン。ホテルを捜査している時に事情聴取をわざわざ食堂でして、ビュッフェ形式の食事を勝手に食べて、持ち帰り用の箱まで要求するという守銭奴ぶりに笑った。これだけキャラが立ってると読んでて本当に面白いわ。変わり者の部下たちだけどヴェルーヴェン警部のことを尊敬して慕っているし、上司のル・グウェンは上層部との間に入って部下を守ってくれる良い人だし、事件が残虐なだけに、刑事たちの掛け合いが楽しくて和んだ。最後のほうの犯人の取り調べでは、抜群のチームワークで犯人を追い詰めていく展開が緊迫感があってすごく良かった。これこそ警察ものの醍醐味よね。

 二転三転する驚きのストーリーで、かなりグロい事件だけど読後感は悪くなく、心温まるエピソードもあってちょっと感動。文句なしに面白いミステリーだった。

Alex

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